スノーデンファイル ルーク・ハーディング 三木俊哉訳

スノーデン「9・11後、アメリカを代表する報道機関の多くは、権力のチェック者としての役割、つまり政府の行きすぎに異を唱える責任を放棄してしまいました。愛国者ではないと見なされ、ナショナリズムの高まりのなか、市場でそっぽを向かれることを恐れたからです。ビジネスの観点からすれば、これは当然の戦略でしたが、企業がうるおった結果、市民はその代償を負わされました。主要メディアはまだこの寒々しい時期から回復しはじめたばかりです」(73p)
「論評は自由なれど、事実は神聖なり」という57年半にわたって編集長をつとめたスコットの言葉は、いまなお「ガーディアン」の活動を支える原理原則である(168p)
開発業者やIT企業と協力してNSAはハードウエアとソフトウエアの両方にわざとセキュリティーホールを埋め込んだ(207p)
ロシアの情報機関もロシア国民に対してNSAと同じ広範な監視を行っていた(245p)
新たなキーワードは「サイバー主権」(271p)
ラスブリッジャーはどこへ行くときも、粉砕されたコンピューターの破片を内ポケットに忍ばせて歩いた(305p)
「ガーディアン」のラップトップPCの破壊に関するニュースは、ドイツ全土で第1面を飾っている(314p)

いずれも衝撃的な事実ばかりだ。日本の監視社会化は、どこまで進んでいるのか、誰にも分からない。それが問題だ。