100分de名著 百人一首 木ノ下裕一

これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも 逢坂の関 蝉丸
めぐり遭ひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲隠れにし 夜半の月かな 紫式部
あらざらむ この世のほかの 思ひ出に いまひとたびの 遭ふこともがな 和泉式部
天つ風 雲の通ひ路 吹きとぢよ をとめの姿 しばしとどめむ 僧正遍昭
心あてに 折らばや折らむ 初霜の 置きまどはせる 白菊の花 大河内躬恒
さびしさに 宿をたち出でて ながむれば いづくも同じ 秋の夕暮れ 良暹法師
長らへば まだこのごろや しのばれむ 憂しと見し世ぞ 今は恋しき 藤原清輔朝臣
田子の浦に うち出でて見れば 白妙の 富士の高嶺に 雪は降りつつ 山部赤人
田子の浦ゆ うち出でてみれば 真白にぞ 不尽の高嶺に 雪は降りける 
世の中は 常にもがもな 渚漕ぐ あまの小舟の 綱手かなしも 鎌倉右大臣