全20巻4500余首もある日本最古の歌集・万葉集の注釈書を書き上げた近代歌人として窪田空穂、佐々木信綱、土屋文明がいる。斎藤茂吉も『万葉秀歌』を出版。万葉集歌を批評するキーワードは「実用性」「文芸性」「気分」(窪田空穂)、「おのがじし」(佐々木信綱)、「全身的」「混沌」(斎藤茂吉)。
筆者は、①万葉集時代に短歌形式が定着②130年の間に集団の声から個の声に徐々に移行③一回限りの時間という新たに獲得された意識が歌の抒情の基盤を形成、という視点を糸口にして考えている。
第1回 言霊の宿る歌
『古事記』(712完成)は神代から推古天皇(〜628)までで終わっている。
次の4期で分けるのが通説。
第1期の作者 舒明天皇、斉明天皇、天智天皇、天武天皇を始めとする皇室
第2回 プロフェッショナルの登場
第3回 個性の開花
第4回 独りを見つめる
「東歌」約230首(巻14巻)
「防人歌」98首
巻末の歌「新しき年の始の初春の今日ふる雪のいや重(し)け吉事(よごと)」(巻20・4516)
それぞれの時代ごとに代表的な和歌が掲載されていましたが、略。昔々読んだなあ、勉強したなあ、という感慨が蘇りました。日本人のこの和歌に対する感覚って、外国の人からすると、どう思われているんでしょうね?