2022年6月6日初版第1刷発行
裏表紙「平時も有事も『フェイク』だからの今を生きる! 保身 詐欺 紛争 恋愛」
表紙裏「フェイクニュース、マルチ商法、振り込め詐欺・・・日常生活において、ウソやニセにまつわる事件やエピソードは数知れず。『私は騙されない』と信じていても、気付いてみたら、相手の術中に陥ってしまうのは、なぜ? 平気でウソやニセを仕掛けてくる人たちの手口から、騙されてしまうメカニズム、そしてフェイクの効用を知り、賢くつき合いながら生き抜く知恵まで、脳科学的観点から分析、考察する。」
第1章 何のために人はウソをつくのか
人は10分に3回ウソをつく・・・
現実だけでは脳は満足できない
「得られた時よりも、得られるかもしれないという予感や期待に、より喜びや興奮を感じるように脳はできている」
第2章 人はなぜ騙されるのか?
なぜフェイクニュースに惹きつけられる?
「オックスフォード大学の研究チームによると、フェイクニュースをプロパガンダの手段として活用している国は、2020年時点で81か国存在し、年々増加傾向にある」
騙されたほうが得をすることもある
「『能力が低い人ほど自分のことを過大評価する傾向がある』ということが明らかに」
第3章 社会性とウソ
妥協も必要なフェイク
「人と人、人と環境、そのどちらもが、自らの一貫性を優先したら、論理的に対立は解消されない状態となるでしょう。しかしフェイクをうまく利用し妥協することによって、我々は対立を回避し、互いの生存範囲に立ち入ることができるようになり、環境に適用してきました。一方的にウソを切り捨てるのではなく、うまく使ってきた歴史があるというのは学ぶべきことではないかと思うのです」
第4章 生産的ウソの効用と活用法
強気なフリでポジティブな気持ちに
「社会心理学者のエイミー・カディが行った実験によると、自信がないときに、胸を張るなどの『強いポーズ』をとると自信が出て、リスクに対しても前向きになるということが分かりました」
信じるか、信じないかはあなた次第
「ただ、カディの主張に疑義を呈する研究者も、いないではない」
「人真似・物真似のウソ」で効果発揮
「脳には、他者の能力を写し取る能力がある」「ミラーニューロンと呼ばれるものです。上手な人を真似ていると、次第に自己のイメージと重なり、自然と行動や結果に反映されてきます」
「『自分たちは注目されている』『自分は期待されている』と意識するようになったことによって生産性が向上した」
「『ピグマリオン効果』は議論が分かれていて、検証が必要なのですが、教師によって期待をかけられたり、注目されると子供の意欲が高まり、学力向上につながるとされています」
第5章 悪意のあるウソ
第6章 歴史から見るフェイクの活用例
第7章 ウソとどう付き合い、生きていくのか
ウソとの上手な付き合い方を知る
「悪意のあるものとやむを得ないこと、思いやりのあるものとの違いを見極めつつ、うまくつき合うことが必要」
言葉の力、雄弁さが求められる時代
「互いを攻撃するより、折り合うことのできる局面を見出し、互恵的関係を築いていくことが合理的な選択であり、有効な生存戦略であるということを知り、そのために持てる能力を使える人こそが、『いい男』であったというのはとても興味深いことです」
ついてはいけない「ウソ」、騙されてはいけない「ウソ」、これとは別に、正直でない方がよい場面の時に、いわゆる「ウソ」も方便として使う「ウソ」などなど、より分けをしながら、「ウソ」の功罪を見極めましょう、というお話でした。