2006年4月12日第1刷発行
裏表紙「幕府火付盗賊改方の長官・鬼平こと長谷川平蔵が、ときにはユーモアをまじえ、ときには鋭い勘を働かせて凶悪な盗賊を相手に大奮闘をつづける。その颯爽たる立廻りが大評判の人気シリーズ第三巻は、『麻布ねずみ坂』『盗法秘伝』『艶婦の毒』『兇剣』『駿州・宇津谷峠』『むかしの男』の全六篇。」
艶婦の毒（後編）
お豊は柏屋でお縄となり、お豊を使っていた権十郎一味も捕縛され、平蔵の京都旅は終わった。京都の次は奈良に誘われた平蔵は、別にお供が出来たので、忠吾を江戸に戻そうとすると、忠吾はお豊を訪ねた。盗みの一味と間違われた忠吾は捕らえられ、すぐに解き離れたが、お豊が盗みの一味だと知って大そう驚き、自らの言動を慎むことひとかたではなかった。
凶剣（前編）
権十郎一派を根こそぎ捕縛した平蔵は、運よく捕まらなかった紋次から付け狙われる。菊右衛門は紋次から表向き平蔵殺しの頼みを聞いたふりをするが、本心は宗仙のことで平蔵に礼を言いたいと考えている。江戸から京の道中で助けたおよねは平蔵に口を開かなかったが、高津の玄丹から逃げてきたことをようやく明かす。権十郎の刺客が平蔵を襲い、平蔵がやられる寸前に岸井左馬之助が救援に現れた。
