韓国ドラマ・ガイド トンイ 前編 NHK出版

2011年7月5日第1刷発行

 

帯封「強き心が運命を変えた!撮り下ろしグラビア&インタビュー ハン・ヒョジュチ・ジニほか ストーリー完全ガイド第1回~第30回」「韓国歴史ドラマの巨匠、イ・ビョンフン監督の『チャングムの誓い』『イ・サン』につづく最新作!朝鮮王国第19代王粛宗の側室でのちの第21代王・英祖の母となったトンイの物語。」

表紙裏「身分の壁を乗り越えて王の側室となり、のちの名君を産み育てたスクビンチェシ淑嬪崔氏〔トンイ〕の一代記」

 

目次

主な登場人物&相関図

ストーリー完全ガイド 第1回~第30回

ドラマの背景 歴史の中の粛宗 粛宗をめぐる宮中の女たち 朝廷を牛耳る二大勢力

スペシャルインタビュー ハン・ヒョジュ チ・ジニ イ・ソヨン ペ・スビン 

チョン・ジニョン パク・ハソン キム・ユソク チョン・ホジン キム・ユジョン キム・ヘソン

制作現場を語る監督 イ・ビョンフホン

 

第1回 天乙貴人の相を持つ少女、トンイ その波乱の人生が幕をあけた!

第2回 政治的陰謀に巻き込まれ トンイは命を狙われる 罠にはめられた剣契はことごとく捕らえられた

第3回 父は剣契だった!チョンスは同志の救出に向かうが、トンイに父と兄との別れが迫る

第4回 「ずっと見守っていてね」トンイは空に向かい都で強く生きることを父に約束する

第5回 宮廷で犯人捜しを続けるトンイの前に現れたのは才色兼備のチャン尚宮 そして命の危険が…

第6回 死体が消えた-音変は陰謀なのか⁉真相を探るトンイに運命の出会いが訪れる

第7回 南人と西人の派閥抗争 チャン尚宮と明聖大妃の争いが続く中ついに光と影が再会する

第8回 チョンスは生きていた!ふたりを結ぶ剣契の印 そしてトンイの名前を耳にしたヨンギは…

第9回 従事官と罪人の娘を再開させた出来事はやがて大事件に発展 トンイは証言を迫られる

第10回 明聖大妃の仕掛けた罠に落ちるチャン尚宮 無実を証明しようとするトンイに危険が忍び寄る

第11回 チャン尚宮は宮廷に一石を投じようとする そして粛宗スクチョンに夢を語ったトンイに人生の転機が

第12回 奴碑から女官へ―さらなる試練が待つ 新たな人生へトンイは一歩を踏み出す

第13回 立ちはだかる壁を乗り越えるためトンイは険しい道のりをひたすら歩む

第14回 兄と慕うチョンスと涙の再開を果たすトンイ 一方で清国使節団への潜入捜査を命じられる

第15回 国王と一介の女官…大きな隔たりを感じショックを受けるトンイ そして大kな罠が!

第16回 命をかけて任務を果たそうとするトンイ 清国大使から与えられた猶予は3日間第17回 栄華への道を突き進むチャン尚宮 敵対する明聖大妃は病状が急変し-

第18回 夢であり、光だった禧嬪との決別が近づく それぞれの苦しみの中 事態は複雑にからみ合う

第19回 仁顕王妃を陥れようと張りめぐらされる陰謀 懸命に捜査を続けるトンイに再び危険が!

第20回 王妃が降格となる前に無実を証明できるか 一筋の光が見えたとき 明聖大妃がこの世を去る

第21回 汚名を着せられたまま仁顕王妃は宮廷を去る トンイは内需司で不正の証拠を見つけ…

第22回 内需司の横領金は王妃の一件に関係が…苦境に立つ禧嬪はトンイへの憎悪を燃やす

第23回 深い傷を負ったまま消えてしまったトンイ そして禧嬪はついに王妃の座を手中に

第24回 奇跡的に命を取りとめ都に思いを馳せるトンイ 粛宗もまたトンイを捜して…

第25回 ヒジェの目的は何か トンイたちは悪巧みを阻止しようとする 都では新たな策謀が…

第26回 不思議な縁で結ばれたウンテクに命を救われ 思いがけない再会をしたソリと都へ旅立つ

第27回 禧嬪は決意を秘め命がけの賭けに出る 宮廷に戻ったトンイは王に会おうとするが…

第28回 粛宗に会えないまま正体がばれて再び宮外へ トンイの奏でるヘグムが奇跡の再会を呼ぶ

第29回 トンイへの想いを自覚する粛宗 事件の真相を暴くため宮廷に嵐が吹き荒れる

第30回 宮廷に戻りたいと願うトンイを守るため粛宗が取った驚くべき行動とは…

 

名実ともに名作と言い得る作品です。最下層という出自をばねにして、王朝の中で、正直かつ聡明に生き抜き、敵の謀略にめげず、謀略を証拠で暴き、清楚で美しい姿で王に愛され、前半の最後では承恩(スンウン)尚宮まで登り詰めるトンイ。いよいよ禧嬪を追い詰める証拠をもって宮廷に再び戻って新たな戦いが始まろうとしている。トンイや粛宗との絶妙なやり取りと呼吸も見事だが、禧嬪の人の心を読み、仕掛ける謀略もまた先を見据えたものでなかなかのもの。脇役のチョンス、ソ・ヨンギ、チャン・ヒジェらも普通の脇役ではない。キャラが立ち、視聴者に深い印象を残す。身分制の縛りが強い世の中でしかも権力が渦巻き謀略に溢れ還る世界の中になって、王の側室に登り詰め、しかもそこで誕生した子が名君になるよう幼い頃から教育する、それも立派な精神と他を圧倒する程の学問の積み重ねを身につけさせたというメッセージは単なる娯楽番組ではなく、一種の教育番組のようなものであった。