「Ⅱ『八重山民謡誌’69」の末尾も、「カサの支点として巨大な暗黒をも支えている沖縄に、日本は属する」とある。
「Ⅲ多様性にむかって」の末尾も、「沖縄を考えることは、東洋における日本と日本人について考えることの根源的な契機をはらんで、あらためて僕を、日本が沖縄に属するという命題にみちびくのである」と締められている。
「Ⅴ苦が世」では日米共同声明と日本の沖縄化反対のスローガンに潜む問題の核心をあぶりだしていく。
「Ⅵ異議申立てを受けつつ」「Ⅶ戦後世代の持続」「Ⅷ日本の民衆意識」「Ⅸ『本土』は実在しない」と続き、最後は筆者が繰り返していうところの〝日本人とはなにか、このような日本人ではないところの日本人へと自分をかえることはできないか”という問いかけそのものが、閉じることのできない自分の内部の沖縄ノートの主題であることを再確認させられて終わる。