舟を編む 三浦しをん

2012年本屋大賞第1位。辞書がどのような過程を経て作成されるのか、そこに携わる人たちが言葉の一つ一つを正確に深く理解し、そのために日々努力しているという、辞書の裏側に隠れた、先人の多くの努力があっての賜物であることを知ることのできた良書でした。「のぼる」と「あがる」の違い、「こだわり」の誤用、辞書の紙のことなどなど、ふっと立ち止まって考えてみて、初めてその意味を正しく深く理解することができることばかりで、しかも我々の日常生活は、言葉の海で溢れかえっているという当たり前と言えば当たり前すぎるくらいの現実の中にあるんだということを思い返すことができました。