イサム・ノグチ物語 「遊び」は芸術だ! めら・かよこ

2017年12月20日発行

 

第1章 カリフォルニアの太陽―誕生

第2章 大好きなことを見つけた日本―二歳から

第3章 素晴らしい出会いが待っていたアメリカの中・高校生時代―十三歳から

第4章 彫刻家への道―十八歳から

第5章 自分の彫刻をさがしてー二十歳から

第6章 戦争に苦しむー三十六歳から

第7章 人間と社会に役立つ彫刻をめざすー四十五歳から

第8章 子どものための芸術「公園作り」を追求―五十七歳から

最終章 「これは、ぼくの仕事です」

 

野口英世とミチオ・イトウから励まされたエピソード、イサムが「生涯の師にして親友」と語ったフラーとの友情、第二次世界大戦中にボストン強制収容所で生活をしていたこと、広島死没者記念碑が「幻の傑作」となったこと、ユネスコガーデンを手掛けて世界的デビューを果たしたこと、55年も温め続けたプレイマウンテンを札幌に作ろうとして基本デザインを作った矢先に突然亡くなってしまったことがとても分かり易く綴られています。昭和63年に84歳で亡くなった後、遺志を継いだ人たちによって平成17年についにモレエ沼公園が完成し、プレイマウンテンが完成しました。今度札幌に寄ったら是非寄ってみたいです。パリに行けたらユネスコガーデンにも足をのばしてみたいです。そんな気にさせてくれる、20世紀を代表する彫刻家。アメリカ国籍の方ですが、日本の心も持ち合わせたイサム・ノグチ。父親は日本人で母親はアメリカ人であったためハーフとして日本でもアメリカでもいじめられてトモダチができなかった小さい頃の経験が、いつしか子どもが自然の中で楽しめる公園を作りたいとの夢につながり、そして遂にそれを実現した(その直前で亡くなってしまったけれど)お話です。不勉強な私はこの本でそんな素晴らしい彫刻家がいたことを初めて詳しく知りました。イサム・ノグチの名前は知ってはいたのですが、この本を手に取って本当に良かったです。