落窪物語 越水利江子

2012年12月20日第1刷発行 2014年6月30日第2刷発行

 

 日本版シンデレラ姫といえるような物語ですね。でも平安中期の源氏物語に先立って落窪物語が書かれているわけだから、シンデレラ姫より落窪物語の方が先にあったわけですよね。そもそも落窪物語を読んだ事がなかったので、これ自体、新鮮な感じでした。

 美しい落窪姫(邸の外れで床の低い落ちくぼんだ部屋があてがわれたのでこの名がつけられる)が継母北の方からさんざんいじめられるも、侍女あこぎが機転を利かせ、またその恋人帯刀の惟成(これなり)の協力も得て、右近の少将藤原道頼から見染められて結ばれるというハッピーエンドなお話です。