ギリシア・ローマ ストア派の哲人たち セネカ、エピクテトス、マルクス・アウレリウス 國方栄二

2019年1月10日初版発行

 

帯封「ストイックに生きるとは? 樽の中で暮らす 足るを知る? 奴隷から哲学者に!

キュニコス派ディオゲネスから、ゼノンらの初期、パナイティオスらの中期、ローマ時代のセネカエピクテトスマルクス・アウレリウスの後期の思想の変遷を紹介。」

 

第1章 自然にしたがって生きよ―キュニコス派

第2章 時代が求める新しい哲学―ストア哲学の誕生

第3章 沸き立つローマの市民―ストア哲学の伝承

第4章 不遇の政治家―セネカ

第5章 奴隷の出自を持つ哲人―エピクテトス

第6章 哲人皇帝―マルクス・アウレリウス

終章  ストイックに生きるために

 

ストイックという言葉が、古代ギリシアストア派によって生まれたこと、ストイックの前には、シニシズムという生き方があって、ストイックはそこから生まれ、そこから独立したものであるという事実は、案外知られていない。

 

ゼノン

 耳が二つ口が一つなのは、より多く聞き、より少なく話すためである(DL Ⅶ 23)

 

セネカ

 閑暇は学びがなければ死に等しく、生ける人間の墓場でしかない(『倫理書簡集』82,3)

 われわれは長く生きるためではなく、満足のいく生を送るために思い悩むのでなければならない(『倫理書簡集』93,2)

 私はこの片隅だけに生まれたのではない。この世界の全体が私の祖国だ(『倫理書簡集』28.5)

 他人が幸福だと思う人ではなく、自分で自分を幸福と思える人こそ幸福である(『運命の対処法』16.10)

 

エピクテトス

 一般に、もし君がなにかをしようとするならば、常習的にするがいい(『語録』Ⅱ18,24-27)

 

アウレリウス

 お前にある内なるものを掘れ。お前の内には、もしも掘り続けるならば、つねにほとばしり出ることのできる善の泉がある。(『自省録』Ⅶ59)

 私は自分の義務を果たすのだ。他のことに心を奪われることはないのだ。(『自省録』Ⅵ22)

 人生は短い。熟慮と正義をそなえ、現在を無駄にしてはならない。(『自省録』Ⅳ26)

 

名言・名句集が巻末にあり、本文の該当ページと並べてあるので、ここから本文に戻るという読み方をすることもできる。また本文自体は時代を順に追って書かれているので、頭の整理にもなり、歴史の知識を深めることもできる。