落合日記 林芙美子

令和4年11月25日発行

 

林芙美子記念館に遊びに行った記憶が蘇った。草木が所狭しと生い茂るちょとした大きさの庭があり、使い勝手良く工夫された間取りが印象的な洒落た自宅が坂の中腹にあった。あの当時にこんな家を建てるなんて流石だなあと感心したことをよく覚えている。随筆「昔の家」を読んで、渡邉大工と二人三脚で住みよい家を作り上げたということを知った。それにしても京都まで渡邉大工を連れて郊外の民家を見に行くなんて凄い。発想も行動力もある人だ。旅が好きで国内はもとより海外旅行にも良く出かけている。小説を書く楽しさと苦しさが良く伝わってくる。フランス語の字引を引いて勉強するなど努力家でもある。有名人が登場人物として次々に出てくるのだが、そういう時代にそういう人たちと生きていたんだなあと少し羨ましく思う。名前だけ知っている人では、尾崎翠さん、井伏鱒二さん、織田作之助さん、太宰治さん、坂口安吾さん等々。特に太宰治さんと晩年親しくなってハイボールのようなものを飲んでいる様子など、妙に描写が生き生きとしている。林芙美子が童話を書いていたというのは本書で初めて知った。反戦の思想が垣間見える。巻末の「風も吹くなり」は村岡花子に送った詩であるとのこと(新宿歴史博物館学芸員佐藤泉氏による)。

 

掌草紙

随筆 落合日記

   落合町山川記

   文學・旅・その他

   昔の家

   友人相和す思ひ

   落合日記

童話 はなたばとらむね

   蛙(童話)

   はなたばとらむね

   おにおん倶楽部

詩  風も吹くなり

   家族

   月夜の日記

   ひかり

   無題

あとがき