平成15年12月1日初版第1刷発行
表紙
「ガリレイ1564~1642 『地球は動いてる』って叫んでも、断罪されない皆さんのことがうらやましい!
ニュートン1642~1727 樹からリンゴが落ちるのを見て、引力を発見したのかって?まさか!
アインシュタイン1879~1955 相対性理論とは要するに、Σ√▲△⋀≒∨〇Sなんじゃが…わかったかな?
ハッブル1889~1953本人よりもハッブル宇宙望遠鏡のほうが有名になっちゃった!
ホーキング1942~『虚時間』って何かって?うーん…説明するだけ虚しいなあ」
第1章 近代宇宙論のめばえと発展
001 天動説にはそれなりの説得力があった
002 天動説ってどこか違うんじゃない?と彼は思った
遊び惑っている星のように見えるので「惑星」と呼ばれるようになった。
003 地球が動くことの直接的証明は難しい
004 「それでも地球は動いていない」と言い張った教会?
005 ケプラーの法則と地動説
006 特定の基準あっての慣性の法則
007 ニュートン力学第2法則・加速度の法則 f力=m質量a加速度 うん、これしかない!
008 3つの基本原理で天体の運動をも解明
009 万有引力の法則(1)
010 万有引力の法則(2)
011 万有引力の法則(3)
012 万有引力の法則(4)
013 万有引力の法則(5)
014 時間と空間は絶対なのか?
015 エーテルは存在するのか
016 なに?光は運動体の影響をうけない?
017 ローレンツ変換 なに?物の長さが縮むだと!
019 特殊相対性理論の世界 時間よ、おまえもか?(ニュートン力学)
020 速度不変の原理の正しい解釈 空間よ、おまえも私を見放すのか!(ニュートン力学)
021 時間の流れが遅くなる超高速の世界
022 なんと、質量も変化する!
023 質量とエネルギーは同じである!
024 一般相対性理論誕生 運動のすべては重力で説明できる!
025 空間のゆがみの検証は光が頼り
026 時空4次元の世界
027 空間のゆがみと時空4次元空間モデル リーマン幾何学と時空4次元
029 重力場は光をも曲げる
031 一般相対性理論の正しさの裏づけ
第2章 宇宙は膨らんでいるか、縮んでいるか?
032 宇宙は静止していると考えたアインシュタイン
033 宇宙項と4次元球宇宙モデル
034 宇宙項がなくてもいいとフリードマンは思った
035 宇宙論と数学
036 年周視差による恒星の距離計測法
037 ヘルツシュプルング=ラッセル図
038 ケフェウス型変光星による距離決定
039 宇宙の端の銀河の距離測定
040 エドウィン・ハッブルの星雲研究
041 ドップラー効果
042 重力によるスペクトルの赤方偏移
043 宇宙膨張説の登場
044 宇宙の地平線
ハッブル方程式V(後退速度)=H0(ハッブル定数)×R(天体までの距離)≧C(光速)
045 過去にも遡れるハッブルの法則
046 宇宙年齢の計算と修正
047 開宇宙なのか閉宇宙なのか? ハッブル定数の正確な決定は難しい
048 なぜ宇宙は膨張しているのか? ルメートルの宇宙原子起源説
049 ガモフのビッグバン理論
050 ビッグバン理論の難点
051 正体不明の3度Kマイクロ波
052 ビッグバンの化石、3度K宇宙背景放射
053 銀河の距離測定技術の革新 CCDカメラによる天体観測
054 宇宙はバブル構造だった 泡状組織の集合体の謎
055 銀河の特異速度とグレート・アトラクタ
057 ビッグバンは立証されたが・・・なお残る3つの問題
第3章 マクロの世界からミクロの世界へ
060 シュレーディンガーの猫 観測によってはじめて事象は確定する
061 マックス・プランクのエネルギー公式 E=h(プランク定数)×v(周波数)
062 シュレーディンガーの方程式
063 宇宙へと向かった素粒子の研究
064 実証されたクォークモデル 核子のもとはクォークとグルオン
065 クオークの分類と量子色力学 クオークにも世代とカラーがあったとは!
067 ゲージ粒子 力を生みだす不思議な粒子たち
068 安定した素粒子からなる現在の宇宙 長命な素粒子は4種類だけ
069 宇宙には4つの力が存在する
070 統一理論とはどういうものか? 4つの力を1つの原理で!
071 ワインバーグ=サラム理論 電弱統一の鍵はゲージ粒子にあった
072 電弱統一理論の概略 ビッグバンからわずか100億分の1秒後の世界
073 電弱統一理論から大統一理論へ 電、弱、強、3力の統一をめざして
074 超大統一理論 電、弱、強の3力に重力を合わせた4力を統一する
075 2派に分かれた物理学者たち 実証主義か論理主義か
076 賛否両論の「超ひも理論」 「ひも状素粒子」は変幻自在で人を惑わす
078 不完全性定理と論理の限界 先端宇宙論は前衛的現代詩だ
第4章 宇宙の創成と宇宙論の最前線
079 時空のかなたに見る宇宙創成のドラマ
080 量子論の説くビッグバンの原点 エネルギーに満ちた光の粒ありき
081 想像を絶するビレンキンの「無」の世界 物質もエネルギーも時間も空間も存在しなかった
082 量子論的な意味での「無」とは ゼロ点振動とは正負エネルギーの綱引き
083 トンネル効果によって原初宇宙は誕生した 負の真空エネルギーの山脈をくぐり抜けて
084 膨大な真空エネルギーの凝縮した原初宇宙
085 車椅子の天才、ホーキング登場 ブラックホールの研究を振り出しに
086 宇宙の特異点定理と無境界化説 特異点問題の解消に挑んだホーキング
087 ホーキングの無境界化説 難解な虚時間の世界
088 虚時間空間の中の実時間空間 宇宙の誕生に特異点を考える必要はない?
089 ホーキングの宇宙モデル 我々の宇宙を球の表面に見立てると
090 原初宇宙の出現とインフレーション 驚異的な速度で膨張を始めた原初宇宙
091 インフレーション理論 真空の相転移がインフレーションを生んだ
092 宇宙史の展望を広げたインフレーション理論 まず重力が分岐し、つづいて強い力が分岐した
093 宇宙ひも理論と子宇宙誕生説 古い真空が生みだした予想外のドラマ
094 真空の過冷却とビッグバン 過冷却した真空の相転移がビッグバンを引き起こした
095 物質を生んだ対称性の破れ ついにグルオンがクォークを捕らえた
096 出現したニュートリノの海 一部の電子や陽子は消滅をまぬがれた
097 軽元素誕生と宇宙の晴れ上がり 自由電子をついに捕らえた原子核
098 銀河や銀河団の形成 エネルギー密度のゆらぎが銀河を生んだ
099 宇宙最初の天体クエーサーの誕生 密度のゆらぎの異常な成長がクエーサーを生んだ
100 恒星の誕生とその一生 恒星が生まれ、宇宙に無数の灯がともった
101 137億年のドラマの果てに 星々の生死のはざまに、惑星と生命は誕生した
102 ダークマターにかかる宇宙の運命 なお未解明なダークマター問題
103 宇宙の終焉 そして我が宇宙は衰え消滅する?
104 最新研究に基づく宇宙の未来像 宇宙の年齢は137億歳でその構造は平坦?
105 宇宙に知的生命体を探す 我々人類は宇宙の孤児なのか?
生命の誕生も謎だが、考えてみると、物質なかんずく原子の誕生そのものが謎である。
今は、原子が存在すること自体、当たり前のように思っているが、宇宙の創成とそれから様々な過程(しかも考えられない瞬間的な出来事の積み重ね)を通して原子が誕生したというのだから、不思議である。ホーキングの虚時間、クエーサーなど、これまで宇宙論の本を色々読んできたつもりだったが、まだまだ知らないことだらけだ。だが、ますます好奇心が湧くばかり。更に勉強を積み重ねていこう。