危機の中の学問の自由 世界の動向と日本の課題 羽田貴史 広渡清吾 水島朝穂 宮田由紀夫 栗島智明

表紙「揺れているのは日本だけではない 社会と学問・研究の関係で、何が問われているのか 科学、政治、産業、教育etc.‥‥、問題の射程を広げる1冊」裏表紙「学問・研究の自由の確保は、世界的にも注目のイシューとなっている。政治や経済・産業界の影響が拡大し、大学や研究者への規制・介入が多発する一方、国際的な権利保障の枠組みづくりが進んでいることはあまり知られていない。学問と社会の関係を見直し、対応が遅れた日本の現在を知るための1冊。」

 

はじめに

1 社会に対する責任としての学問の自由 広渡清吾

2 戦前の日本の国家統制と学問 -文部省思想局の憲法学説調査 水島朝穂

3 アメリカにおける産学連携と学問の自由の緊張関係 宮田由紀夫

4 学問の自由の国際的保障 栗島智明

終章 学問の自由の議論を新たな段階へ 羽田貴史

コラム① テニュア(終身在職権)と学問の自由―アメリ

コラム② 任期付き教員と学問の自由-日本

コラム③ 学生に学問の自由はあるのか? 羽田貴史

      アメリカの高校生は、学生団体が、学問の自由は「私たちの思想の自由でもあり、何が私たちの心を占めるかを自ら決定する権利でもある」と述べている。日本の最高裁は学生の学問の自由は教授などの有する学問の自由と自治の効果であり、主体として見ていない。

コラム④ 学問の自由とファカルティ・ディベロップメント

コラム⑤ 大学入試と学問の自由大学の自治

アメリカにおける産学連携と学問の自由にかんする略年表

 

日本学術会議の改正は見送られた。ある意味、当然のことだろう。ただ、最終的な決着がどうなるかは不透明だ。