2023年1月5日初版第1刷発行
帯封「SNSで話題⁉ #新種発見のエピソード集めました 分類学がわかると、生きものはもっと面白い!」「新種ってどこで見つかるの? どうやって名前をつけるの? なぜ生きものを分類するの? 19の新種発見のエピソードで、生物の分類の基本がわかる!」
・この地球上には推定870万種もの生物が存在すると言われるが、そのうち学名が付けられている種は150万種であり、まだ全体の80%以上の種には名前がつけられていない。
・学名の成り立ちは「属名」「種小名」「命名者名と記載された年」。
・記載論文には①学名②新種を記載することの言明③ホロタイプの指定(産地等の詳細データおよび所蔵先、登録番号等)④記載文(新種の形態(形・色・大きさ)を詳述)が必須、それ以外に和名など学名以外の名称、学名の由来、ホロタイプ意外の標本データ、分布と生息環境、近縁種との識別点なども記述。必要に置いて「論議(考察)」が展開され、最後に引用文献を網羅する。
目次
新種発見って何だ? 新種記載への道のり 学名と和名とタイプ標本
記載論文徹底解剖 新種は「記載」されるもの-「認定」「登録」は間違い-
chapter 1 陸地で発見!
新種との出会いは突然に ババハシリグモ(馬場友希)
南の島で見つけた宝石 ベニエリルリゴキブリ(柳澤静麿)
アパートの駐車場にいた最強生物 ショウナイチョウメイムシ(荒川和晴)
光合成も開花もやめた⁉ タケシマヤツシロラン(末次健司)
冬虫夏草少年の直感 クサイロコメツキムシタケ(山本航平)
さえずりとDNAの違いが導いた発見 コムシクイ/オオムシクイ/メボソムシクイ(齋藤武馬)
chapter 2 水辺で発見!
4歳児が発見!? ごま粒大の新種 チゴケスベヨコエビ(森久拓也・有山啓之)
魚を採ったらくっついていた! オシリカジリムシ(是枝伶旺・上野大輔)
子どもの頃に抱いた“違和感” オオヨツハモガニ(大土直哉)
海を越えた連携プレー カクレマンボウ(澤井悦郎)
幻の新種となった深海魚 エピゴヌス・オカモトイ(岡本誠)
“ドジョウの泥沼”に踏み込む シノビドジョウ(中島淳)
chapter 3 こんなところで発見!?
60年越しの卵のバトン ムルティフィスウーリトゥス・シモノセキエンシス(今井拓也)
後輩に手渡されたエレガントな化石 エゾセラス・エレガンス(相場大佑)
大掃除中、標本箱から発見! ニセコウベツブゲンゴロウ/ヒラサワツブゲンゴロウ(渡部昇平)
「Twitter」という学名を持つダニ チョウシハマベダニ/イワドハマベダニ(島野智之)
Twitterで出会えた憧れの存在 アイヌホソカタカイガラムシ(田中宏卓)
博物館での出会いがきっかけに ダイダイマダラウミヘビ(日比野友亮)
映画のセリフに隠れていた真実 サザエ(福田宏)
新種発見!裏話座談会 分類学用語集 おわりに 引用および参考とした主な文献
面白い世界があるもんだなあ、としきりに感心する。