私の履歴書 石毛郁治(東洋高圧社長) 日本経済新聞社 経済人2

昭和55年6月5日1版1刷 昭和58年10月30日1版11刷

 

①泣き虫のジジッ子

②夏休みに“奇跡的発育”

③皇太子の前で漢文講釈

④“デモ先生”のころ

⑤念願の蔵前高工へ

⑥蔵前時代の思い出

⑦薫陶をうけた諸先生方

⑧年上の女性に求婚

⑨友人新君のことども

⑩キリストにあやかる長男の名

三井鉱山に入社

⑫ヨイトコラの親方候補

⑬「青ン僧なごうはモテンバイ」

⑭コークスの歴史を研究

⑮大震災の東京から抜出る

⑯専門の“東圧人”となる

⑰新社長も寮でガン張る

⑱第二の青春を-

 

明治28年5月18日千葉生まれ。成東中学、今の県立成東高校で寄宿舎生活を送った。中学校卒業後、母校の代用教員の辞令を頂戴した。漁業に見捨てられた町に発展の見込みはなく、東京高等工業学校(現在の東京工大)に行きたいと父に頼み、応用化学科に在籍した。卒業後、三井鉱山に入社して九州の大牟田に行った。焦煤工場係員を長年務め、コークスの歴史の研究を20年続けた。欧州行脚の旅の後、昭和12年、東洋高圧勤務の命を受けて専門の東圧人となった。戦後上京して常務となり、大牟田復旧のため大牟田に帰った。社長となり尿素の安定増産を進め、天然ガスに取り組む。(昭和38年東洋高圧の会長となり、41年三井化学社長に就任。43年両社の合併により三井東圧化学相談役となり現在に至る。)