2018年5月16日第1版第1刷発行 2018年第1版第2刷発行
帯封「この研究にかけた著者の集大成!『私の履歴書』研究の第一人者による3部作が完成!1956年の掲載開始から61年間、登場人物819人すべてを読破して得られた、『後世のための知恵』を説く。」
目次
はじめに
第1章 「道を究めた人物」しか語れない人生空間
②一流の指揮者はタクトを横に振る?(小澤征爾:指揮者)
③独房体験の告白(河田重:元日本鋼管社長、石原廣一郎:石原産業会長)
④ハドソン川河口で送った涙の手旗信号(鈴木英夫:兼松名誉顧問)
⑤ニシンの群れが来襲(木下又三郎:本州製紙社長)
⑥酒がおいしくなる盃とは(奥村政雄:日本カーバイド工業社長)
⑦マラソンランナーの驚くべき速さとペース配分(君原健二:マラソンランナー)
⑧芸能人から文句が出ないギャラの決め方(中邨秀雄:吉本興業会長)
⑨なぜ役者は花柳界でモテなければならないか(桐竹紋十郎:文楽人形遣い)
⑩なぜ近江商人の教育システムは優れているのか(嶋田卓弥:蛇の目ミシン工業社長)
⑪国際通貨の最終交渉での判断(柏木雄介:東京銀行会長)
⑬水温と密接な関係がある魚の習性(中部謙吉:大洋漁業社長)
⑭特攻隊の出撃3例
(2)出撃現場(鈴木英夫:兼松名誉顧問)
(3)出撃、突入、被弾(長谷川薫:レンゴー社長)
ネパールの天風先生足跡を訪ねて
1.ゴルケ村
2.修行場所
3.修行環境(村人、地形、気候、温度など)
4.感想
第2章 担当記者などに聞くと、さらに魅力を増す「名物コラム」の秘密
1.担当記者の場合
(1)完成までの工程(原稿の作成方法など)
(2)登場予定者が急逝したときなどの対応法
(3)登場を内諾してもらう苦労
①料亭の風呂場 ②飛行機など乗り物に同乗 ③芝居がかり
(4)担当記者の苦悩
2.秘書・広報部の役割
苦労1:とりなしの苦労
苦労2:原稿の取りまとめの苦労
苦労3:貴重な資料を活かす苦労
第3章 名経営者に学ぶ仕事術10話
1.「今の課題に全力投球を」犬丸徹三氏(帝国ホテル元社長)の巻
2.「人間関係育む誠実・配慮」岡崎嘉平太氏(全日空元社長)、稲山嘉寛氏(新日鐵元社長)の巻
3.「職場の課題・質問で知る」ルイ・シュバイツアー氏(ルノー元会長)の巻
4.「データを活用し価値を生む」稲葉興作氏(IHI元会長)、鈴木敏文氏(セブン&アイ会長)の巻
5.「市場を読みリスク管理」本田宗一郎氏(ホンダ創業者)の巻
6.「利用者の立場で考える」小倉昌男氏(ヤマト運輸元社長)、樫尾忠雄氏(カシオ計算機元社長)の巻
7.「不遇に腐らず次に備え」安居祥策氏(帝人元会長)、八尋俊邦氏(三井物産元会長)の巻
8.「ルールを決め会議を円滑に」土川元夫氏(名古屋鉄道元社長)の巻
9.「M&Aは信頼関係から」金川千尋氏(信越化学工業会長)の巻
10.「管理職育成、熱く厳しく」ジャック・ウェルチ氏(元GE CEO)の巻
第4章 新たな発見が続出する「私の履歴書」の読み方
1.誕生地から見てみる
2.出身校から見てみる
3.誕生年別に見てみる
4.誕生月で見てみる
5.執筆年齢から見てみる
6.連載回数の多さから見る
7.連載回数の少なさから見る
8.「別巻総索引」からわかる影響力のある経済人
9.職業別登場人物
(1)産業別登場人物
(2)経済人の企業別登場人物
(3)非経済人の登場人物
10.女性の登場人物(才女とスクリーン美女)
11.異色の登場人物
12.登場者の縁戚関係を見る
13.恩師・恩人の人脈
第5章 親しみが出る分類一覧
*読みたい「私の履歴書」登場者の調べ方
1.誕生地一覧
2.最終学歴一覧
3.誕生年一覧
4.誕生月一覧
5.引用(名前を挙げられた)回数一覧
6.経済人業界一覧
7.経済人の企業別登場人物一覧
8.非経済人(政治家、学者、芸術家、芸能人、アスリートなど)一覧
9.スクリーン美女と「私の履歴書」登場才女の生誕年一覧
10.登場者あいうえお順(掲載期間、回数、執筆歳、生誕地、生誕年、最終学歴などを記載)
おわりに
・現在、掲載当初の「私の履歴書」を順次読み始めている。確かに古い人はこの本でしかよめない人が多いだろうと思うので、大変勉強になる。皆それぞれ人に言えぬ苦労をして最終的に成功した人ばかりのようだが、その苦労をどう表現するかは区々だ。
・その直後、このまとめ本が出ていることを知った。勿論800人以上も登場する中で、ごく一部の人のダイジェスト版なので、取り上げた人の数も僅かだし、内容も圧縮されているので、元の「私の履歴書」の迫力には到底叶わない。それでも「私の履歴書」全体の良さを大雑把にでも掴もうと思うのであれば、十分参考になる程度の情報量は詰め込まれている。
・盃の形如何で酒の味が変わるという奥村政雄さんの話を聞いて、盃集めをしたくなった。この回の「私の履歴書」が楽しみだ。
・右目失明というハンディがあるからこそ最強の横綱になった双葉山のエピソードには、喋ってくれないという取材記者の苦労話以上に驚いた。