読み継がれる自分史の書き方 森一夫

令和5年2月10日初版第1刷発行

 

表紙裏「人生の『総決算』を仕上げるには、ちょっとした作法があった!原石や食材の状態にあるそれぞれの物語を、1冊にまとめる手がかりを提供」

 

目次

読み継がれる自分史を書くための10カ条

第1章 思いが伝わる自分史の条件

1 誰にもある自分史という物語

「書くだけの波瀾も事件もない」菊池寛 一校退学事件の顛末の書き方は難しい

『折りたく柴の記』新井白石 ルソー『告白』に先立つ半世紀前の作品

2 自由に書くところに面白さ

  「電気の鬼、電力王」の破天荒な人生 松永安左エ門 『勇気ある自由』『私の人生読本』『出たとこ勝負』

3 自分をあえて裸にすることも

  ルソーの『告白録』

第2章 自分史を書き出す前に必要なこと

1 まずテーマを考えて、構成を決める

ソニー創業者井深大の『私の履歴書

ニクソン(米国第37代大統領)の回想録 『ニクソン わが生涯の戦い』

山下俊彦(松下電器産業=現パナソニックホールディングス元社長)

『ぼくでも社長が務まった』

くだけだ文章で嫌味なく読ませる『勝海舟自伝』

勝小吉の痛快な読み物自伝『夢酔独言』

2 日記、メモなどの材料をそろえて準備

  詳細でリアルな描写で小説よりも面白い『高橋是清自伝』

  3 時代背景を念頭に生き生きと

    渋沢栄一の『雨夜譚』

第3章 読み物として面白く書く方法

1 書き出しに一工夫

三井財閥の実力者 益田孝のユニークな書き出し

長谷川如是閑(明治~昭和の言論人)『ある心の自叙伝』の突飛な書き出し

福澤武(三菱地所元社長)平凡な書き出しから非凡な人生を語る

中川一政(洋画家)素っ気ない書き出しで始まる『腹の虫』

2 エピソードによって語る

  福澤諭吉福翁自伝』の面白さ

  宮崎輝(旭化成元社長)サラリーマンエピソード

3 ヤマ場を設ける

  江頭邦雄(味の素元社長)の総会屋事件と長老の排除  

  樋口廣太郎(アサヒビールホールディングス元社長)「逆境こそ大きなチャンス」攻めの経営

4 独りよがりにならない平易な文章

  松下幸之助 誰にでも分かる文章

  湯川秀樹の『旅人』が示す自分の専門に閉じこもらない自分史

  山路敬三(キャノン元社長)技術的な話を平易に書く工夫

5 終章を大切に

  黒澤明『蝦蟇の油』~自伝のようなもの~

  カール・ベンツ「あるドイツ人発明家の人生行路」

  野球王タイ・カップの自伝に示された最後の一節

第4章 自分と向き合い、どこまで書くか

1 よい自分史とは

  『ガンジー自伝』にみる「虚飾をはいして自分を書ける」勇気

  稲盛和夫(京セラ創業者)自分を飾らず善い考えを持って努力する生き方

2 自分の真実を追求する

  小泉信三が指摘する『福翁自伝』の魅力

  内村鑑三キリスト教思想家)の真実の追求

 

ここに紹介されている自叙伝は、たぶん3分の1程度しか読んでいないと思う。いずれも魅力的な方々ばかりなので、おいおい未読のものは読んでみようと思う。