「百想芸術大賞」受賞式で「ムービング」がTV部門のトップに輝く。主演イ・ジョンハは新人演技賞を受賞。
第1話「高3」
高校3年生のボンソク(イ・ジョンハ)は浮遊能力を持つが、一生懸命その能力を隠して生きている。可愛いヒス(コ・ユンジョン)が転校してきたため、とても気になる。彼女は父ジュウォン(リュ・スンリョン)と二人暮らしだったが、制服も買えないほど貧乏だったので大学進学は難しかったが、運動神経が良く担任から体育大学を目指したらどうかとアドバイスを受けて自己トレーニングを始める。韓国の地にフライトしてきたフランクは依頼主は不明だが、謎の組織を引退した怪力チンチョンを力対力の勝負で窓から外に転落させて殺害した。国家安全企画部のミン・ヨンジュン(ムン・ソングン)はこれを事故死として処理し、このニュースを見たボンソクの母ミヒョン(ハン・ヒョジュ)は何やら不安げな表情を見せる。
第2話「扶養 浮揚」
2003年、幼いボンソクが自分で能力がコントロールできるよう、母ミヒョンは安い倉庫を借りて、普通に歩けるよう訓練を施しながら、別の場所でとんかつ屋を始める。ボンソクは友達と遊ぶことが出来ず、テレビ少年だった。ある時、空飛ぶヒーローに憧れて自らの能力を皆に見せびらかすが、友だちの気持ちを傷つけるようなことをしたので、ミヒョンはボンソクを厳しく注意する。フランクの次のターゲットは地下で古本屋の店主をしていた電気マンのポンピョン。ポンピョンは電気を自在に操つれたが、家庭のバッテリーがショートすると力を失ってフランクに殺害され部屋ごと焼却される。これも事故死扱いにされ、犯人を捜しつつも国家安全企画部のヨンジュンは様子を見ろと謎の指示を部下に出す。ポンピョンは死ぬ直前に息子が写った写真を燃やしフランクはそれに気づいた。学級委員長のガンフンが不良っぽいギスと喧嘩するが、人間離れした怪力でギスをやっつける。ボンソクはヒスが汗だくになったので自分の体操着を貸したり、新しい制服を買うのに一緒に付き合う。
第3話「1+1」
ヒスの制服を一緒に買いに行ったボンソクはヒスとコンビニで軽食を取りながら過去を明かす。ボンソクはヒスに体育大進学の希望を伝えても父親はきっと応援してくれるはずだと励まし、ヒスは父に相談した。体育館で捻挫したヒスだったが、怪我はなかった。腹筋を鍛えるサポートをしていたボンソクは彼女のことを意識して宙に浮き出す。その後も肘の傷を触られたボンソクは完全に校舎の天井にまで宙に浮いてしまった。
第4話「秘密」
フランクの次の標的は美容室の経営者ホン。散弾銃を放ってもフランクを倒せず、フランクに殺害されてしまう。同じ建物にチキンの配達で訪れたヒスの父ジュウォンはフランクとすれ違う。ヒスは天井に浮いたボンソクに飛びつき、ボンソクはヒスを連れて帰宅する。息子が可愛い女の子を初めて連れて帰ってきたので母ミヒョンは昂奮して大量のとんかつを振る舞う。ヒスが驚かないのを不思議に思ったボンソクがヒスに尋ねると、ヒスは「変ではなく特別なだけ」と言う。遅くに雨の中を一人でヒスを帰すのでなく送るよう母から言われたボンソクは空を跳びながらヒスを追い掛ける。ヒスの練習をいつも手伝うボンソクにヒスは前の学校を辞めた理由を打ち明けた。ヒスは17対1の喧嘩で自分は怪我をしてもすぐに回復してしまう特殊体質で相手をボコボコにしたために事実上退学となった秘密を明かした。
第5話「リコール」
ヒスは幼い頃事故で母を失い、父は転居を繰り返していた。高校で初めて定住を経験するが、ヒスは前の学校で裕福な生徒がいじめられているのを黙っていられず(先生に話をしてもきちんと対応してもらえなかったので)、17人もの不良グループを相手に大立ち振る舞いする。カッターで切られようと、石で殴られようと、アッという間に回復するヒスは相手全員を一人で叩きのめし、ヒスの父は多額の示談金を支払うため家を売りヒスは転校した。父から遺伝で父の能力を受け継ぎ、母からは正義感を受け継いでいると聞かされたヒスは、ボンソクからお母さんは亡くなる前、娘が無事であれば笑っていたはずだと聞かされ、事故当時、笑顔だった母の顔を思い出す。前の高校でいじめにあったヘウォンはヒスのいるチョンウォン高校に転校してきた。
第6話「イナズママン」
ボンソクが通学に使っていたバスの運転手ギドは殺された電気マン・ボンピョンの息子だった。彼は体育大を目指していたが、転向して芸能関係へ進むよう勧められ、イナズママンのオーディションに合格したが、電気を操る力を上手くコントロールできず相次ぎ機材をショートさせて解雇される。ある日、バッテリー切れで立ち往生したバスのバッテリーを回復させたギドはバス会社に就職した。ボンソクはヒスのために応援歌を集めたプレイリストを作ってヒスにスマホを預ける。フランクは次の標的の指令を受ける。ボンソクの母ミヒョンだった。フランクが店内に入ってくると、不安を覚えたミヒョンはボンソクに「帰ってきちゃだめ」とメッセージを送るが、ボンソクは家に到着してしまった。
第7話「異邦人」
ボンソクが家につくと、ミヒョンは客として応対したが、フランクの質問にボンソクは自宅だと話をしてしまう。安企部次長ヨンジュンはCIAを呼び出し、フランクの暗殺計画の中止を求めた。その結果、保留となり、フランクは行動を起すことなく店外に出た。ミヒョンはボンソクに携帯を肌身離さず持ち歩くよう言ってあるのに携帯していないことでイライラを募らせた。フランクは幼い頃、誘拐されて特殊能力を保持する者として特訓を受けていた。ミヒョンのとんかつ店を出たフランクがギド運転のバスとすれ違うや、ギドは父の殺人犯だと直感してフランクのトランクを追跡したが全く敵わない。フランクに次の指令が届く。ヒスの父ジュウォンへの殺害指令だったが、不死身のジュウォンはトラックで何度轢かれても死なず、死闘の末に遂にフランクを打ち負かす。ジュウォンは標的殺害指示書を燃やしトラックごと爆破した。ヒスは試験の前日にボンソクに会いたい気持ちを正直に伝えた。入試後、ヒスに向かって落下したバスケットゴールをガンフンが超人的瞬発力を発揮して体当たりをしてヒスの命を救った。偶々その場を撮影していた映像がネットに流れると、ジュウォンもミヒョンもその映像を見、安企部は秘密が露呈し驚愕した。北朝鮮は動画をみて軍部が動き出した。ボンソクは自らの力を解放して自由に空を飛べるよう訓練を開始した。それを知ったミヒョンは父ドゥシクのようになって欲しくないと泣きながらボンソクに訓練をやめるよう頼んだ。
第8話「ブラック」
航空機並みの飛行能力を持つドゥシクは大韓航空爆破事件を防ごうとしたが失敗する。ミヒョンは人並み外れた五感を持っていたが視力を落とし頭を使う情報分析官となった。上司からドゥシクの思想・行動を探るミッションを与えられ、コードネーム・ムンサンのドゥシクに接近する。ドゥシクはミヒョンが上層部の命令で接近したことを承知していたが、そのことを伝えながら、南山にあるとんかつ屋に誘う。ドゥシクに心を開いていくミヒョン。敵も味方も容赦しない非人道的な作戦を展開する上官に疑問を抱いたミヒョンは催涙弾を投げろとの指示に逆らって音響閃光弾をわざと投げて、生き残った者をその場から逃した。
ヨンジュンは航空機爆破を防ごうとしたのは単独行動でドゥシクの失敗ではなく、ミヒョンが逃がそうとした際に狙撃すべき立場にあったのにそれをしなかったことがドゥシクの唯一の失敗だと部下に明かした。
第9話「ヒューマニスト」
ドゥシクの調査を命じられたミヒョンはミッションを失敗するが、ミヒョンに恋したドゥシクはミヒョンが働く5階事務室の窓の外に現れた。飛行能力を持つ彼の姿に驚いたミヒョンは、以前から安企部次長ヨンジュンから秘密は分かったかと聞かれていたが、これが秘密だと理解したが、ヨンジュンにはまだ秘密は分からないと嘘をついた。本庁を訪れたドゥシクにミヒョンは自分の特殊能力を明かし互いに秘密を知り合い、口づけを交わす。ヨンジュンはミヒョンにドゥシクの秘密を報告しないため任務終了を言い渡す。ヨンジュンはドゥシクが彼女の下に戻って来さえすればよく、そのために二人を接近させていた。ミヒョンは自分がついた嘘が全てヨンジュンにバレていたことを知る。その後、ドゥシクは姿を消す。金日成総書記の死亡が報じられ、ドゥシクは狙われる身となり、ミヒョンも監視対象になる。
第10話「怪物」
暴力団の抗争の中で怪物のジュウォンは知らないところでボスや部下のミンギが裏切り、薬を飲まされて車に全身を縛られて海に沈められるが、ジュウォンは海底から脱出して復讐する。モーテル暮らしを続けていたジュウォンはコーヒーを配達するジヒと知り合う。安企部はミンギから怪物の存在に興味を抱く。