100分de名著 『世論』プロパガンダの源流 リップマン 堤未果

「世論」
「真の環境があまりに大きく、あまりに複雑で、あまりに移ろいやすいために、直接知ることができないからである(中略)われわれはそうした環境の中で行動しなければならないわけであるが、それをより単純なモデルに基づいて再構成してからでないと、うまく対処していくことができないのだ」(第1部「序」第1章「外界と頭の中で描く世界」)

ステレオタイプの特徴」
①都合よく強化される②見馴れないものは排除される③理性的でなく情緒的

「ニュースと真実とは同一物ではなく、はっきりと区別されなければならない(中略)ニュースのはたらきは一つの事件の存在を合図することである」(第7部「新聞」第24章「ニュース、真実、そして一つの結論」)

「広報・宣伝の父」と呼ばれ、第一次大戦時にリップマンと共に広報委員会に関わり世論操作の原点をつくった、エドワード・バーネイズの『プロパガンダ』(1928)

「かつて『プロパガンダ』と呼ばれたものは、今は広告代理人による『マーケティング』と名を変えている、それは経済学の授業では、決して教えないことなのだ」

最後に、
リップマンは人間の「理性」に期待するという希望的要素を書き残しているとのこと。
これが唯一の救いかも、ですね。