2018-01-01から1年間の記事一覧

100分de名著 ソラリス スタニスワフ・レム 沼野充義

ポーランドのSF作家。 うーん。「わからなさを引き受ける」「不可解を受けとめたその先にあるもの。」 結局、よくわからないままだった。わやりやすく誰か説明してくれると有難いです。

『アレックスと私』 アイリーン・ペパーバーグ 佐柳信男訳

ヨウムへの長年に渡る実験の結果から、動物にも言語能力・認知能力があることを明らかにしたペパーバーグ博士の翻訳本。ヨウムのペパーバーグ博士への最後の言葉が、ILOVE YOUなんて、素敵でかっこよすぎる。動物と人間との違いとは何かを考えさせられる良…

世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」 出口周

2018ビジネス書大賞準大賞! 久しぶりに面白い本に出会った。おススメの一冊です。 「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」は、野村監督のものではなく、江戸時代の武芸家である松浦(まつら)静山の剣術書『剣術』に記した言葉だそうだ(40…

100分de名著 ペスト アルベール・カミュ 中条省平

「いいまわしはどうでもいいんです」とリウーはいった。「ただ、これだけはいっておきましょう。我々は、まるで市民の半数が死なされる危険がないかのようにふるまうべきではない。なぜなら、そんなことをしたら、人々はじっさいに死んでしまうからです」(…

「律」に学ぶ生き方の智慧 佐々木閑

律こそが、「好きな修行だけやって生きていく」というサンガの理念を現実化するための要なのである(60p)。 「生き甲斐のための組織」を評価するためのチェックポイント ・出家制度の有無 ・統率システム ・資金の獲得方法(154~155p)

100分de名著 野生の思考 レヴィ=ストロース 中沢新一

「野生の思考」が戦いを挑んだのは、19世紀のヨーロッパで確立され、その後人類全体に大きな影響力をふるってきた「歴史」と「進歩」の思想です。レヴィ=ストロースは近現代をつくりあげてきたこれらの思想に反旗を翻し、「歴史」に対して「構造」という考…

100分de名著 生きがいについて 神谷美恵子 若松英輔

人間はべつに誰からたのまれなくても、いわば自分の好きで、いろいろな目標を立てるが、ほんとうをいうと、その目標が到達されるかどうかは真の問題であないのではないか。(中略)結局、ひとは無限のかなたにある目標を追っているのだともいえよう。 どこで…

日本史の内幕 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで 磯田道史

浜松市中区元城町111の2.秀吉と家康という二人の天下人の人生の転機となった史上最強のパワースポット。今の浜松東照宮。一度行ってみたい。本田宗一郎さんもここに住んでいたことがあるらしい。 「本」こそが日本を作った。なるほど。今の出版業界は「…

チャイルド44(下)トム・ロブ・スミス 田口俊樹訳

実際に起きたチカチーロ事件をモチーフにした作品。52人もの少年少女をレイプし殺害した。どうしてチカチーロは12年も逃げとおすことができたのか?”この国に犯罪は存在しない”という理想の国ソ連の建前が要因の一つとされる。社会のシステムが彼の存在を認…

チャイルド44(上)トム・ロブ・スミス 田口俊樹訳

このミステリーがすごい!2009年版海外編第1位。世界27か国で刊行(ロシアでは発禁)。実際にソ連で起きた長期的殺人事件に着想を得て世界を震撼させたデビュー作。

プリンセス・トヨトミ 万城目学

会計検査院と大阪国とのバトルを描いたエンターメントファンタジー。堤真一・綾瀬はるか主演の映画も面白かったです。

100分de名著 幸福論 ラッセル 小川仁志

「ラッセル法廷」を提唱したのが95歳の時だというのは初めて知りました。不屈の精神の持ち主として紹介されているエピソードですが(100,101頁)、驚きです。 また、「熱意」こそ幸福な人たちの最も一般的で他特別される特徴だと指摘しつつ、その熱意にも「…

100分de名著 ノートル=ダム・ド・パリ ユゴー 鹿島茂

「書物は建築物を滅ぼすことになるだろう!」とのクロードの謎めいた予言は、 1つ目の意味は、印刷術によって流布された聖書は教会を滅ぼすだろう、とのこと。 2つ目の意味は、人間は印刷された書物によって近代人になっていく、とのこと。 ユゴーは世界で…

涙香迷宮 竹本健治

このミステリーがすごい!2017年版第1位、ミステリが読みたい!2017年版国内辺第2位、第17回本格ミステリ大賞小説部門受賞、第40回週刊文春ミステリーベスト10国内部門第3位。 黒岩涙香の存在を、この小説で初めて知りました。江戸川乱歩以前の…

データ分析の力 因果関係に迫る思考法 伊藤光一郎

サントリー学芸賞(政治・経済部門)、日経・経済図書文化賞、W受賞! ①ランダム化比較試験(RCT) 介入グループと比較グループをランダムに分けて、十分なサンプル数を振り分けることにより因果関係をデータ分析により明らかにすることができる。但し費用・…

100分de名著 南洲翁遺訓 西郷隆盛 先崎彰容

西郷亡きあと、旧庄内藩士(山形県)が西郷の教えを語録としてまとめて出版。 万民の上に位する者、己れを慎み、品行を正くし驕奢を戒め、節倹を務め、職事に勤労して人民の標準となり、下民其の勤労を気の毒に思うようにならでは、政令は行われ難し。 文明…

悦ばしき神学 カール・バルト「ローマ書講解」を読む 富岡幸一郎じょ

序章 パウロとバルト 第1章 人間の世界と神の世界が交差する 第2章 イエスの「復活」ということ 第3章 祈りは信仰の根源的運動である 世界宗教としてのキリスト教の特性 第4章 十字架の謎に直面して 第5章 20世紀における旧約聖書の再発見 第6章 歴史…

君の膵臓を食べたい 住野よる

累計254万部突破!2017年年間ベストセラー第1位 TUTAYA年間ランキング第1位 オリコン年間本ランキング第1位 2016年本屋大賞第2位 確かによく売れていますね。 ”全ては自分が選んだ道”。”人が生きるとはどういう意味か?”外見だけに目を奪われ…

100分de名著 法華経 植木雅俊

あなたもブッダになれる あなたをはなれて仏教の真理はない。 第1回 全てのいのちは平等である 第2回 真の自己に目覚めよ 第3回 「永遠のブッダ」が示すもの 第4回 「人間の尊厳」への讃歌 特に第3回の中で「女性の自立と財産権を世界で初めて認めたの…

100分de名著 堕落論 坂口安吾 大久保喬樹

日本は負け、そして武士道は亡びたが、堕落という真実の母胎によって始めて人間が誕生したのだ。生きよ堕ちよ、その正当な手順の外に、真に人間を救い得る便利な近道が有りうるだろうか。(堕落論) たえがたきを忍び、忍びがたきを忍んで、朕の命令に服して…

夜を乗り越える 又吉直樹

「火花」で第153回芥川賞を受賞した筆者の初の新書。たくさんの小説を読んで、また再読して、おもしろいと思うところ、ひっかかるところが年々変わっていくことを赤裸々に語っている。言葉を大切にし、言葉をひねり出す、紡ぎ出す、お笑い芸人として、小説家…

そなえ 野村克也

いま、どのような選択をすれば、最善の結果を生む可能性が高いか? 一夜漬けの知識は絶対に喋ってはいけません 人間の最大の悪とは何であるか。それは鈍感である(トルストイ) WHOが定める「健康」の定義をご存知だろうか。「フィジカル(身体)」と「メン…

オリジン(下) ダン・ブラウン 越前敏弥訳

帯封には「進化論」と「人工知能」というキーワードが掲載されていることから、後半の展開が途中で読めてしまったのが少し残念だなあという気がします。攻殻機動隊的な印象を持ってしまう人が多いだろうなって思います。

オリジン(上) ダン・ブラウン 越前敏弥訳

ダン・ブラウンの最新作。宗教と科学との関係とはどのように考えるべきなのか?また人類の誕生の謎、また人類の未来像について意欲的に語ろうとする、久々の一気読みの小説でした。

電通巨大利権 本間龍

電通の5兆に迫る売上高は、テレビ各社の売上高とは比較にならない程、巨額である。テレビを始めとするマスコミが第4の権力といわれて久しいが、電通こそ、第5の権力などではなく、第4の権力と呼ぶべきである。巨大スポンサーと電通との癒着ぶりは、これ…

「公益」資本主義 英米型資本主義の終焉 原丈人

*会社は社会の公器である *株価優先で会社は研究開発力を失う *上場で会社の資産が奪われる *コーポ―レート・ガバナンスで不正は防げない *四半期決算に追われて研究開発できるのか? *公益資本主義が日本の中間層を守る *公益資本主義の雛形は「日本…

知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ 苅谷剛彦

概念とはサーチライト(232p)。 ex.ジェンダー 問題を問うことを、問う(334p)。 ある問題がクローズアップされることで、隠れる問題がないのかに目を向ける(368p)

知的戦闘力を高める 独学の技法 山口周

アインシュタインが、友人であるモーリス・ソロビーヌに宛てた手紙の中に記した、自身の思考プロセスを図式化したもの。 アインシュタインによれば、私たちはこの「経験の束」から、直観的にある仮説を構築します。これが・・公理系=Aです。この公理系を演…

核と戦争のリスク 北朝鮮・アメリカ・日本・中国 動乱の世界情勢を読む 佐藤優・薮中三十二

国際法を学ばずに外交官になることの危険性の警鐘(57p)。 上空と領空の違いを知らずに発言することの怖さ。 学説によって80キロから120キロの幅があるにせよ。 領海は基線から12カイリ(22.2キロ)。 「戦闘」という言葉の定義(国や国に準ず…