「鬼滅の暗号」解読の書 監修 瀧音能之

2021年1月28日第1刷発行

帯封に「「鬼滅の刃」に隠された歴史のメッセージを読み解く!」とあり、

目次を見ると、

第1章 キャラクターに隠れた暗号

    『鬼滅の刃』はマイノリティを描いた物語だった

第2章 ストーリーに隠された暗号

     なぜ人々は『鬼滅の刃』に夢中になるのか

     『鬼滅の刃』と世界の神話に共通するストーリー

     非業の死を迎える「柱」と神話の英雄

     日本神話から『鬼滅の刃』を読み解く

第3章 鬼との戦いに隠された暗号

     鬼との戦いは疫病との戦いだった

    〇鬼舞辻無惨は誰なのか 「親皇」を名乗った時代の抵抗者・平将門

    〇竈門炭治郎のモデルは藤原秀郷だった

第4章 時代に隠された暗号

第5章 紋様に隠された暗号

    竈門炭治郎の石畳紋(市松紋様)

    竈門禰豆子の麻の葉紋様

    我妻善逸の鱗紋

    伊黒小場芭内の縞紋

    富岡義勇の亀甲紋

    鱗滝左近辻の波紋・雲紋

    胡蝶しのぶの菱紋

    竈紋炭治郎の耳飾りの日足紋

   「藤の家紋の家」の意味

第6章 聖地に隠された暗号

あとがき

となっています。これを見たら、買わずには入れれませんでした。

★コラムも充実していて、例えば「『水の呼吸』と葛飾北斎」というコラムでは、「水の呼吸」の動きが葛飾北斎の浮世絵作品に描かれた波をモチーフにしていることも取り上げている。「神奈川沖浦裏」が北斎の優れた動体視力説に基づいて書かれたことを前提にしているところが、勿論その説も有力でしょうが、そうでもない説もあるので、その点への配慮もあってよかったのになあと思いましたが、しかし主人公たちの脅威的な視力と結び付けたコラムとしては面白いことに変わりありませんでした。

 

いずれにしてお、かつて読んだ、僅かな「古事記」「日本書紀」の知識を総動員して読みましたが、これが実に面白いというか、「鬼滅の刃」の吾峠呼世晴先生がこんな日本史の知識を総動員して作品化しているとは夢にも思わず、どうして今の時代にこの作品が漫画・アニメ・映画で大ヒットしたのかについて勝手な解釈をしていましたが、きっとコロナという特殊事情もあったのでしょうが、それと深いところで日本人に培われてきている深層心理にも響く何かがあったのだろうなあと今更ながらに大変関心した次第です。