2014年6月10日発行
・感覚的思考と概念的思考とどちらが正しいとか、正しくないとかではなくて、人間は両方出来る。そして今の日本では、概念的思考のみが肥大している人が多くなっている。
・夫婦は正面で向き合っているよりも、直角に向き合っていたほうが攻撃を逸らしやすい。一般的には、相手の外への活動は見守りつつ、自分は自分の活動を優先するのがふつう。これも直角に向かい合うことになるのではないかと思う。
・読書にばかりふけっていると、自分で考える癖がつかなくなる。本や新聞を読むのはすべて自分の見方の参考にするためにすぎない。
・ああいうことが起こったらどうするとあらゆることを事前に検討しないといけないような雰囲気がある。都会的な考え方では「仕方がない」というのは言ってはいけない言葉。考えても仕方がないことを考えるのはよそう。なぜ「仕方がない」で済ませられないのかというと、それは「こういうこともある」「仕方がない」と現実を受け入れることができないから。
・岩村暢子さんの『〈現代家族〉の誕生 幻想系家族論の死』には「おふくろの味」などというのは幻想であったということが見事に示されている。今の人とわれわれとに本質的に大きな差はない。