2007年3月第1刷 2014年第13刷
何度も読んだはずなのに、ストーリーがきちんと理解できていなかったことに改めて気づかされました。
冒頭のミリエル司教の教会で盗みを働いたのに司教が守ってくれた場面、
姿を変えて市長となった後にジャン・バルジャンに間違えられて捕まった人を助けるために市長が自分の本当の姿を裁判中に告白する場面、
母親からコゼットを預かった悪人夫妻がコゼットにひどい仕打ちをする中でジャン・バルジャンがコゼットを助ける場面、
コゼットとマリウスの恋愛やジャンバルジャンがマリウスを助ける場面、
その時にジャヴェールが再び登場してジャンバルジャンに助けられ遂にジャヴェールが投身自殺する場面、
最後に悪党が再度登場してマリウスにジャンバルジャンが人殺しだ、被害者の衣服の切れ端をもってマリウスに迫った際に、マリウスが自分こそがジャンバルジャンに助けられたという真実を初めて知る、そんなジャンバルジャンに自分がした仕打ちを知って悲しむマリウス、このマリウスの父は悪党に借りがあってそれを最後に清算するような場面等、
いくつもの場面・場面が思い起こされるのですが、その場面・場面を描くタッチがさすがユゴーと唸らざるを得ないタッチで描かれています。
森田思軒さんの最初の翻訳はどんな風に書かれているのか読んでみたいですね。
また黒岩涙香さんの「ああ無情」というタイトルも、改めてイケてると感じます。
名作は、確かに読んでいてほんとうにいいですね。
特に、次の言葉は印象的。
「法律だけでは決められないものがある。それは人の心だ」
ジャンバルジャンの最後の言葉
「この世に、愛しあう以上にとうといことはないのです」