2016年12月10日発行
目次
第4篇 美女は薄命だぜ
第5篇 座敷牢に謎があるぜ
第6篇 青い肌に謎があるぜ
解説 尾崎秀樹
斬九郎と親しい景之進が行方不明となり、行方を探していた斬九郎。無事に景之進を見つけたが、完全に気が触れており、斬九郎の家の中の座敷牢に放り込んで、麻佐女が景之進の面倒を見たが、“征夷大将軍たる家斉にかような目に遭わせるとは言語道断も極まる暴挙ぞ“と言い出す始末。食事も排便も麻佐女の言うなりにさせられ景之進はぐったりしてしまう。が物語は大どんでん返し。景之進と家斉は瓜二つで、座敷牢に放り込まれたのは本当の家斉で、景之進は家斉の身代わりに仕立てられていた。座敷牢を襲った面々は実は救出する目的だった。本当のことを聞いて腰を抜かしそうになる麻佐女。景之進の娘の須美の身代わりになった文字花が出てきて、すっかりそちらの身代わりに読者の意識を持っていって、最後にひっくり返す話の展開は、まさしく痛快な物語である。