日本酒外交 酒サムライ外交官、世界を行く 門司健次郎

2023年1月22日第1刷発行

 

帯封「日本酒を『世界酒』に! まずは飲んでほしい。その旨さは日本の文化。推薦!小泉武夫氏 太田和彦氏」「小泉武夫氏(発酵学者、東京農業大学名誉教授)『この1冊を読めば、いずれ日本酒は世界を制する酒になることを確信するであろう。国酒・日本酒とはそういう酒である』 太田和彦氏(居酒屋評論家)『日本酒を国際外交の武器としたサムライ、ここに在り』」

 

表紙裏「会食、パーティー、レセプション、晩餐会。外交と『食』は密接な関係がある。そして食を彩り、コミュニケーションの潤滑油となるのが酒である。外交官だった著者は日本酒の魅力に取りつかれ、ヨーロッパ、中東、カナダなど赴任した先々でさまざまな「日本酒外交」を展開する。日本酒は異文化に受け入れられるのか?そもそも合う料理はあるのか?『酒サムライ』の称号を得た著者は、世界の外交舞台に果敢に斬り込んでいく。そこで見出した、日本酒が秘める大きな可能性とは?」

 

著者:1952年福岡県生まれ。75年に外務省に入省。主に条約、安全保障、文化交流、経済を担当。フランス、オーストラリア、ベルギー、英国の日本大使館欧州連合EU)日本政府代表部に勤務の後、イラクカタールユネスコ、カナダで大使を歴任し、2017年に退官。外交での日本酒の活用を推進し、日本酒造青年協議会により「酒サムライ」に叙任。フランスにおける日本酒コンクール「クラマスター」の名誉会長も務める。

 

・2022年のワールド・シティ・カルチャー・フォーラムの資料によれば、東京のレストラン数約13万8000軒は世界一、パリの約3万8000軒やニューヨークの約2万7000軒をはるかに上回る。ミシュランガイドブック(2022)の星つきレストランの数は東京が203軒、パリの118軒を大幅に上回って世界一。

・日本酒の温度の呼び方は原則5℃刻みで、雪冷え(5℃)、花冷え(10℃)、涼冷え(15℃)、常温(冷やとも言う。20℃~)、日向燗(30℃)、人肌燗(35℃)、ぬる燗(40℃)、上燗(45℃)、熱燗(50℃)、飛び切り燗(55℃)となっている。温度により異なる呼称を有するのは日本酒だけ。

・日本酒はアミノ酸の含有量が高いのが特徴で、酒によるが、赤ワインと比べ5倍、白ワインと比べ10倍という資料もある。

・イギリスは自宅などでは5歳以上の飲酒は違法ではない。

・2011年から在外赴任前の外交官に対する日本酒研修が始まる。2012年には日本酒・焼酎の国家戦略としての国酒プロジェクトが立ち上げられた。2020年の外交青書には「日本酒は外交活動の武器」と題する特集コラムに1頁が割かれている。

・2021年12月に伝統的酒造りが登録無形文化財として登録される。2022年3月に伝統的酒造りがユネスコ無形文化遺産に正式に提案される。