1959年6月25日第1刷発行 2001年9月18日新版第1刷発行 2006年1月25日新版第５刷発行
船乗りシンドバードの１回目の航海
シンドバードは、一切の財産をのせて船旅に出た。途中、緑の牧場みたいな島に上陸して休息した。地震かと思いきや、大きな鯨の背中に上陸していたため、乗客たちは次々と溺れ死に、船長は帆をあげて行ってしまった。シンドバードは波のまにまに漂い、運よく島に上陸した。馬が草を食べていた。現れた人に事情を説明するとミハラジ王に拝謁させてくれた。ある日港に入った船に積み込まれた荷物はシンドバードの財産だった。シンドバードは自分の財団だというと、船長は彼が大ウソつきだと誤解したが、船長も彼から事情を聞いて信じてくれ、一番高価な品を王に献上して、その国の品物と交易し、パラソラに帰り着いた。
船乗りシンドバードの２回目の航海
再び商売気を起したシンドバードは、島から島へと貿易して回り、最後にさびれた島に到着し、眠ってしまった。気がつくと船は出てしまい、一人置き去りにされてしまった。バカでかいロックという鳥が飛んできて、その足に自身を結びつけて脱出した。ダイアモンドだらけの島に降り立ったが、夜になると巨大な蛇がうようよしていた。逃げ場を探していると生肉が落ちているのを見つけた。生肉は、商人たちがこの鳥がダイヤモンドを生肉と共に巣に持ち帰り、運び立った後で、巣からダイアモンドだけを取り出す計略だった。彼は、そんなダイヤよりも、もっとたくさんかき集めた大きなダイヤモンドを商人たちに見せた。すると商人たちは驚き、小さなダイヤモンドで十分だと言っておすそ分けした後、島から船出して、他の島々を巡り、ダイヤモンドを他の商品と交換して、故郷に帰った。
船乗りシンドバードの３回目の航海
過去2回の危険を忘れた頃、3度目の航海に出た。暴風に襲われてまたもや島に流される。身の丈60センチの恐ろしい蛮人どもが泳いできて、船を攫い、私たちは島の上陸を余儀なくされた。最初に船長が黒人で一つ目の大男に焼かれ焼肉にされて食べられてしまった。次々に仲間が食べられていき、巨人が寝ている最中に焼き串で巨人の目を刺して目を潰したが、巨人の仲間が現れた。大蛇も現れて仲間が大蛇にも食べられてしまった。沖に一艘の船が見えて救出を求めたところ無事に救出された。別の島に上陸し、船長から積荷はシンドバッドという男の物だと聞かされ、シンドバッドは驚いた。2回目の航海の時に置いていかれたのは自分だとシンドバットは船長に言い、良く自分を見てくれというと、船長はようやくシンドバッドであることが分かり、荷物を返され、落ち度も償われたと言い、高く売れた利益もシンドバッドに全て渡した。
船乗りシンドバードの４回目の航海
4回目の航海も遭難し、たどり着いた島で仲間達は出された草を食べると気が変になり、その後は家畜のように太らされていった。シンドバッドは用心して草を食べずにいたので一人瘦せ衰え、人食い族に食べられずに脱出に成功した。別の島に着くと、裸馬に乗っている人々ばかりだったので、シンドバッドは王に鞍を教えると、王に大層気に入れられ富を手に入れ、王から勧められた妻を娶った。ところがこの地では伴侶が死ぬと生き埋めにされる法があり、シンドバードの妻が病気で死ぬと、シンドバッドも生き埋めにされてしまった。シンドバッドは棺から抜け出し露命をつないでいたが、ある時、動物を見つけて後を追い掛けると出口を見つけた。洞穴の中にあった貴金属を持ち出し、船に救助されてバクダードへ無事戻ることが出来た。
船乗りシンドバードの５回目の航海
次の航海では、ロックの卵を襲ったために親鳥から報復に遭い、石を落とされて船が沈没した。たどり着いた島にいた老人から頼まれた通りに肩車をしてやると、しがみつかれて首を締めつけられ、振り落とすことができなかった。道に落ちていたひょうたんにぶどうを入れ葡萄酒にすると、うまい味になったのでこれを老人に飲ませると、酔っ払ったのでようやく老人を振り落として殺して逃げた。海岸線に戻ると船が休息していた。船員から聞くと、老人は海坊主と呼ばれて多くの死人が出て恐れられていた。シンドバードは帰り際にコマリ島に寄り、持ってきた椰子の実と胡椒の交易を行い、富を得て10分の１を施しに出し、バクダードヘ戻った。
船乗りシンドバードの６回目の航海
６回目の航海でも、船が潮に流され、ある山の麓に辿り着いた。島には沢山宝石類が転がっており、宝石をかき集めたが、食べ物は少なく節約した。筏を作って流れ着いたシンドバードは、セレンディブ島に上陸し、王に拝謁して宝の一部を献上しようとしたが、王は受け取らなかった。王から篤いもてなしを受け、信書を受け取ったシンドバードはバクダードに戻り、宝物と信書を大教主陛下に献上した。そしてセレンディブ島には裁判が必要なく裁判官がいないことも陛下に報告した。
船乗りシンドバードの７回目の航海
もう旅に出ることはないと思っていたシンドバードだったが、教主からセレンディブ島の王に返書と贈り物を届ける役目を頼まれ、これを最後にしようと再び旅に出た。ところが帰り道で海賊に出会い、シンドバッドは奴隷として売り飛ばされてしまった。森に連れていかれたシンドバッドは主人の言いつけ通りに象を弓で射ると、象から死体のある場所に連れて来られ、主人が求めていた象牙を欲しいだけ手にした。主人はシンドバッドに感謝して自由を与え、バクダッドに帰ることが出来た。
