瞬間を永遠とするこころざし 私の履歴書 岡井隆

2009年7月21日第1刷

 

1928年名古屋市生まれ。18歳で「アララギ」に入会。慶應義塾大学医学部在学中に、編集・発行人を務める歌誌「未来」創刊に参画。83年『禁忌と好色』で迢空賞、90年『新和力』で齋藤茂吉短歌文学賞、95年『岡井隆コレクション』で現代短歌大賞、99年『ウランと白鳥』で詩歌文学館賞、2005年『馴鹿時代今か来向かふ』で読売文学賞、07年『岡井隆全歌集』を始めとする全業績が藤村記念歴程賞、09年『ネフスキイ』で小野市詩歌文学賞、を受賞。著作は歌集・評論集含め多数。1993年から宮中歌会始選者。2007年から皇族に和歌の指導を行う宮内庁御用掛となる。

 

昭和3年名古屋生まれ。父は「アララギ」の齋藤茂吉の選歌欄に投稿していた。その影響で私も18歳の時「アララギ」に入会。愛知一中、旧制第八高等学校卒業。「アララギ」にあきたらず、近藤芳美らを擁して「未来」という雑誌を立ち上げた。慶応医学部に進み、医学博士号を授与された。内科医として3つの病院に勤め、平行して作歌や歌論を執筆した。杉浦明平を最初の師とし、次が近藤芳美を師とした。塚本邦雄寺山修司と並んで前衛短歌運動の推進者と書かれたこともあるが、豊橋病院に勤務の頃は私的領域に取材する歌を自覚的に歌った。私には原子核エネルギーを平和的に利用すべきだとする歌が多数ある。京都精華大学の教員となり日本近代詩歌を中心に講義した。