1999年3月30日第1刷発行
相楽総三と清水次郎長の2人が主役。江戸の賭場で出会った2人は共に運命的な出会いと感じる。新門辰五郎は次郎長と小政と相撲の常を連れて甲州に向かった。黒駒の勝蔵とぶつかったが甲州に無事到着する。清河八郎は京で一足先に浪士隊を立ち上げ江戸に戻る。総三は京に向かい、次郎長は清水に戻った。清水で勝蔵が暴れ駿河に行こうとした時、今度は次郎長が駿府を通し、貸し借りを帳消しにする。総三は桃井可堂と信州で出会い、可堂は農民を決起させ上州に向かい、総三は江戸に戻る。江戸で辰五郎と総三が再会する。可堂は門下を死なせたことで食を断ち自ら死んでいく。辰五郎を山岡鉄舟と益満休之助がふらりと訪ね、辰五郎は総三を2人に引き合わせる。次郎長は神戸の長吉を助けるため旅に出るが途中で京に寄る。勝蔵も京にいた。2人は京で新撰組の沖田と土方歳三に出会う。次郎長は京を出て少人数で大勢の喧嘩に臨み勝利する。水戸藩では藤田小四郎が中心となり尊攘派、天狗党が挙兵するが、総三は義挙ではないと考え江戸に引き返す。総三は次郎長を誘って辰五郎に引き合わせ、以来辰五郎は次郎長と気が合い親交を続けた。次郎長のいる清水を総三が訪ねた。辰五郎の居候となっていた坂本龍馬は益満に自分を西郷吉之助に会わせる義務があるといい。益満は龍馬に決起を試みようとする尊攘派の志士として総三がいると告げるが、龍馬は草莽は枯れ行くと言い、それを繰り返しいつか大地から芽が出ることもあると言う。辰五郎の家で次郎長と総三、坂本龍馬が会い、土方が次郎長と再会する。次郎長の下に山岡と勝が訪ね、勝は総三が幕府の下で働く気はないかと聞くが、尊攘の志士だから総三は無理だと言う。坂本が薩摩と長州を商売の利で繋ごうとするのを総三は興味を持ち坂本に再会する。坂本は総三が柔軟な頭を持っていることからいい相棒を見つけたと思っていた。だが総三は商売の方に踏み込んではいけない、志を掲げて生きるべきだと答える。総三は西郷と大久保にも会った。孝明天皇が崩御したのを知らずに総三は京から女装した岩倉を逃がすのを手伝う。孝明帝の死は西郷や大久保により都合が良かった。山岡は、岩倉に千三百両ほど貸しがある次郎長を呼び寄せると、次郎長は自ら岩倉を斬るために自らの命を役立てようとするが、人斬りの中村半次郎が現れ、そこに小松帯刀が仲裁に乗り出したために失敗する。次郎長や総三からすれば、岩倉や西郷や大久保は妖怪で化け物のようだった。総三は土佐藩士板垣退助と会う。