哲学に何ができるか(現代哲学講義) 廣松渉+五木寛之

近代哲学の大枠は、①イギリス経験論、大陸豪理論、この両者を統合したといわれるドイツ観念論という図式になる。①からはベイコン、ロック、ヒューム。②の巨匠はデカルトスピノザライプニッツパスカルなども独創的な思想。③の系譜は、カント、フィヒテシェリングヘーゲルとつづき、壮大な体系をつくりあげた。

現代哲学はヘーゲルの死をもってはじまるといわるが、ヘーゲル以後のドイツ・アカデミーを支配したのは新カント学派。現代哲学の主潮流は、マルクス主義実存主義分析哲学の三派(注釈集による)。

 

これを前提に本書を読み始めると、前半まで(第1講現代哲学とは何か、第2講同時代の哲学)は一気呵成に読むことができた。この類の本はこれまでは頭の中になかなか入ってこなかったが、上記注釈の流れを理解しておくと、そういうことだったのかと、大枠の理解は格段に進んだような気がする。後半(第3講マルクス主義の行く方、第4講現代哲学のたたかい)はマルクス主義に造詣がないため骨が折れる作業となる。しばらくしたら再読開始の予定。