世界2019年10月 私たちは何を失おうとしているのか?あいちトリエンナーレ2019「表現の不自由展・その後」中止事件の当事者が見た風景 岡本有佳子

わずか3日で中止決定が発表された、この事件。一連の経過が当事者の立場から物凄くわかりやすく説明されていた。今一つ問題状況がわかっていなかっただけにこのわかりやすい、まとめはとても重要だと思う。

そもそも主催者サイドは当然妨害も予想できたはずで入念に様々準備をしていたはずだと思う。妨害に対する対応策が尽くされた上でのやむを得ない中止決定なのかどうなのかがさっぱりわからないというのがまずもって最初の問題だ。もし本当に準備していなかったとすればそれこそ何故なんだろう?うがった見方も出てきかねないのではないだろうか。また文書上では「安全上の理由」という抽象的な理由だけで中止したとあるがどうしてそのような稚拙な表現で、しかも手続的な配慮を欠落させて中止決定をしたのだろうか?。問題・疑問が山積だ。検閲だとか市民の表現空間が狭められているとかいろいろな議論が噴出しているが、まずは大前提として一連の経過について事実関係を詳らかにすることが大事だと思う。検証委員会がどこまで踏み込んで事実経過を解明してくれるのか。検証委員会の第1回の記事は出ているようだが、第2回目以降の報道状況はどうなっているのだろう?