世界のビジネスエリートが身につける 教養としてのワイン 渡辺順子

2018年9月19日第1刷発行 2019年1月23日第9刷発行

 

第1部 ワイン伝統国「フランス」を知る

フランスでは産地のブランドを守るために「AOC法(原産地統制呼称法)」が制定されている、というのをこの本で知りました。「Appellation ○○ Controlee」(アペラシオン コントロレ)の「○○」に産地の記載が。地域、村名、畑名と限定されればされるほど格上に。

2008年に法改正され、それ以降に作られたワインには「AOP」(PはProtegeeプロテジェ)と表記。

 

ナポレオン3世によるボルドーワインの格付け。最もランクの高い1級には「シャトー・ラフィット・ロスチャイルドロートシルト)」「シャトー・マルゴー」「シャトー・ラトュール」「シャトー・オー・ブリオン」。1973年に「シャトー・ムートン・ロスチャイルドロートシルト)」も1急に昇格。2004年に1945年産木箱入り(12本)が30万ドルで落札。6本箱入りは35万ドルで落札。ボルドー5大シャトー

 

ブレンドOKの西のボルドー(いかり肩)とNGな東のブルゴーニュ(なで肩)

ブルゴーニュ地方にある、コート・ド・ニュイ地区のヴォーヌ・ロマネ村(「神に愛された村」)は今もぶどう畑と醸造所と教会しかない。ボジョレー、シャブリも有名。

 

北のシャンパーニュ地方。瓶内二次発酵したもののみがシャンパン。偽物が多い。

ナポレオンは、「戦いに勝った時に飲む価値があり、戦いに負けた時に飲む必要がある」

ピエール・ペリニヨン修道士がうっかり放置でシャンパンが誕生(発見された)。現在はLVMH(ルイヴィトン社)が買収して手中に収める。

 

南のローヌ地区、さらに南のプロバヴァンス地区(地中海に面してます)、ロワール地区も聞いたことはあるよね、って感じです。

ドイツの国境沿いにあるアルザス地区のワインはゲーテも愛飲。ボトルが細長いシェープしているのもドイツの影響。自分のオリジナルワインを作ったらしい。

 

第2部 食とワインとイタリア

100種の品種のフランスに対し、2000種の品種を持つイタリア。料理に合わせて土着ワインがたくさん生まれ、産出量は世界一。輸出量もNO2。庶民的なのと、規制が緩いため高級ワインは限定的。

それでもピエモンテ州バローロ村のワインは「ワインの王様であり、王様のワイン」と称される。バルバレスコ村のガヤの作るワインも有名。

トスカーナ州キャンティもメジャー。但し現在はキャンティクラシコという名称。黒い鶏のシンボルマークがボトルに使用されている。スーパータスカンの象徴となったサッシカイア(法に縛られないトスカーナ州のワイン)やマセットはアメリカで大人気。モンタール地区も注目を浴びる。

ヴェネト州「アマローネ」はダンテの末裔が作り始め、「味わうアート」とも表現され、メディチ家から愛された。

 

第3部 知られざる新興国ワインの世界

ブラインドテイスティング「パリの審判」が1976年と2006年の2回にわたって行われた。カリフォルニア・ナパvsフランスで、なんと2度ともカリフォルニア・ナパのワインが勝ってしまった。「カルトワイン」は今やボルドーブルゴーニュと同様に注目されている。

 

今やワイン産業、投資としてのワイン。偽造ワインで120億円を稼いだといわれるルディー事件。まだ600億円相当の偽造ワインが世界に。2013年3月8日ルディー逮捕。これが日本に大量に入ってきているとの指摘もあるらしい。決して高級ワインを自己判断で買うのは止めた方がよさそう。

 

近年、特に評価を上げているのがチリワイン。「アルマヴィヴァ」。日本ではチリワインの輸入量が2016年にはトップに。「アルパカ」「サンライズ」「コルノス」(自転車をシンボルマークに)

スクリューキャップを初めて使用したオーストラリアワイングランジ」、「イエローテイル」、ニュージーランドワインも注目を集める。イエローテイルはブルーオーシャン戦略で世界一速い生産ラインで世界的ブランドに成長。

中国産ワイン「アユオン」が今最もホットなワインと言われているらしい。

 

こんな本を読むと、本当にワインが飲みたくなりますね。

今日は、帰りに、フランス、イタリア、チリワインあたりを買って、ブルーチーズで、家族と一緒に、美味しく頂きたいと思います。