エマソン選集3 生活について 小泉一郎/訳 エマソン選集4 個人と社会 原島善衛/訳

エマソン選集3 生活について 小泉一郎/訳
昭和 36 年 3 月 25 日初版発行 昭和 44 年 3 月 1 日 4 刷発行
神秘主義から世俗の世界へ下ってきた彼が、現実の諸問題に対決して、英知あふれた生活指針を示した諸篇は、彼の思想とその本質を知る必須の書
「運命」「力」「富」「随想余録」「幻想」「経験」「仕事と日々」「悲劇的なもの」で構成されている。

 

エマソン選集4 個人と社会 原島善衛/訳
1960 年 11 月 25 日初版発行 1969 年 2 月 20 日 3 刷発行
奴隷問題が表面化し、南北戦争が勃発し、アメリカの内乱は、彼にとって大きな試練となった。この巻は彼の社会批評家としての一面を描いている。
巻末の訳者あとがきによると、本巻に収められた 11 篇はエマソンの講演原稿に基づくものがほとんどである。唯一『政治について』だけがエッセーの形式による作品である。『若いアメリカ人』『改革者としての人間』『ニュー・イングランドにおける改革者たち』『政治について』『時代について』『女性について』『戦争について』『社会の目的』『貴族主義について』『逃亡奴隷法について』『エイブラハム・リンカーン』で構成されている。
 戦争について、1838 年 3 月、ボストンにおける講演、では、次の一節が特に目を引いた。
「社会を騒然とさせている多くの宿年の弊害を改革しようという普遍的なさけび声、ま
だ見ぬ知的ならびに宗教的の信仰と希望に対する青年層の多くの人びとのあこがれが信頼に値する前兆であるとすれば、また学問と行動において、人間の本質の未踏査の富に依存する傾向――書物ではなく人間に、過去ではなく現在において、道徳の崇高な法則、および希望と信頼の源の探究が進むとすれば、もし青年層を刺激して、過去の悪弊のひとつひとつに巣くうのは不甲斐ないことだ、とおもわせ、彼らをして耐乏と美徳のおうような勇気を感じさせることができるとすれば――そのとき戦争の余命は短かく、流血は止むであろう。」

 

 

 

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