勝海舟 修養訓 石川真理子

平成28年3月25日第1刷発行

 

表紙に「幕末の英雄 勝海舟が説いた人間を磨く50訓」、「人はたれでも、自省自修の工夫が必要だ」、「☆自省自修の工夫をせよ」「☆無心になれ」「☆言わせておけ」「☆忘れてしまえ」「☆究極の健康法」「☆礼をわきまえよ」「☆名誉を先に求めるな」「☆現世での評価にこだわるな」「☆公平な考えで人を見抜け」、表紙裏には「人間に必要なのは平生の工夫で、精神の修養ということが何より大切だ。」とある。

5%社員の本とは正反対のようなことも書いてあるが、大人物というのは勝のような肝玉が座っていないといけないのだろう。目端が利くだけでは大人物にはなれない。そういう意味で両面必要なのかもしれない。また、まずは目指すは5%社員で、ゆくゆくは勝のような人物を目指すべきなのかもしれない。

第1章 根を養う

  1 自省自修の工夫をせよ

  2 無心になれ

  3 根気を強からしめよ

  4 身体を鍛えよ

  5 土台をつくれ

  6 心を研ぎ澄ませ

  7 古来の実例と照らす

  8 人の筋道を違えるな

  9 家族を顧みよ

  10 『小学』に学べ

第2章 己を鍛錬せよ

  11 活学問が人物をつくる

  12 不足不平も必要

  13 時勢が人をつくる

  14 頭脳で受けるな

  15 言わせておけ

  16 風霜辛酸に耐えてこそ

  17 極めつけは無学の学問

  18 批評家になるな

  19 機を待て

  20 根気がものを言う

第3章 とらわれない

  21 忘れてしまえ

  22 他を排斥するな

  23 方針に執着するな

  24 心配は何の足しにもならない

  25 人の相場も上下する

  26 逆風を楽しめ

  27 観察眼を持て

  28 誰にも才はある

  29 話は謙虚に聴け

  30 究極の健康法

第4章 闘わず、負けず

  31 呼吸を習得せよ

  32 決然と事に当たれ

  33 仕事をあせるな

  34 結果に気を取られるな

  35 難治に際して臆病になるな

  36 勝とうとするな

  37 冷静に処する

  38 捨ててかかる

  39 思案は行動を鈍らせる

  40 柔よく剛を制す

第5章 誠さえあれば

  41 うぬぼれは必死で押さえつけよ

  42 何事も知行合一

  43 ただ行う

  44 余裕を持て

  45 礼をわきまえよ

  46 名誉を先に求めるな(誠さえあれば、鬼神は感動するよ)

  47 現世での評価にこだわるな

  48 公平な考えで人を見抜け

  49 後進を育てよ

  50 誠を持ちて今を生きよ

 

 勝の師匠は佐久間象山、従者と同じ粗末な小倉袴で佐久間を訪問すると、佐久間は戒める。が、勝は彼等を兄弟として待遇しており従者ではない、先生も元は同じ書生であった、他日あなたのように出世するかもしれないと反論した。この言葉に豪胆であり、かつ慈愛がこもり、細やかで情に厚い勝の人間性が溢れている。かくありたいものだ。