ワーズワース詩集 田部重治選訳

1938年9月5日第1刷発行 1957年5月25日第18刷改版発行 1966年9月10日第29刷改版発行 1986年2月10日第49刷発行

 

表紙「ワーズワース(1770⁻1850)は19世紀の最も優れた自然詩人であり、自然のために自然を歌うことに一生をささげたイギリス唯一の詩人であった。自然にたいするその親しみある静観的態度は、自然を愛する日本人の共感をよんで明治・大正の文学に多大の影響をあたえた。ここには『ロンドン・1802年』『水仙』など比較的短い詩の傑作を網羅した」

 

私の好きな詩は

「 わが妹

 ・・

 わが妹よ、希望わくは、

 朝げはもはやすみし故、

 急いで、朝の仕事を捨てて、

 来って、春の陽を浴びよ。

 

 エドワードも一緒に連れだって、

 早く散歩のなりに変え、

 書物をもつのは止めにして、

 今日一日を、のんびり暮らそう。

 

 面白くない形式で、

 生きた暦をきめるのは止めよう。

 われらは今日を新しく、

 年の初めと定めよう。

 

 愛は今やあまねくみなぎり、

 心から心へ、地から人へ、

 人から地へとひそかに歩む。

 いまこそわれらの情の時。

 

 ・・・・・」