オタク六法 小林航太

2022年11月24日初版発行

 

CHAPTER1

 著作権が結構詳しく分かり易くまとめられています。

 特に二つの作品同士に類似性の有無を裁判所がどう判断したかについて二つの作品の写真を対比して解説してくれているのはとってもタメになります。裁判所はこういう感じで判断をしているんだというのが素人にもビジュアル的に分かるようにしてくれているのは画期的です。

 商標権、意匠権もコンパクトにまとめられています。当日版権システムなどこの業界ならではのことにまでフロォーがあります。

 更に肖像権では肖像権ガイドラインデジタルアーカイブ学会法制度部会2021年4月)に基づいて解説があります。正直言って、こういうガイドラインがあればいいなあと思っていたので、とてもタメになります。

 

CHAPTER2

 わいせつ物頒布等は刑法175条で禁止されている。ろくでなし子さんの①女性器をかたどった立体造形物を展示したことはわいせつ物に当たらず、②女性器をかたどった立体造形物を3Dプリンタで再現できるデータを送信したりそのデータを記録したCD-Rを販売・頒布したことはわいせつ物に当たる(最高裁令和2年7月16日判決)。なんでだろう?

 外国法人(TwitterGoogleMicrosoft、Meta)は、今や、外国会社の登記をしている。

 

CHAPTER3

 ドローンでの撮影は航空法だけでなく小型無人機等飛行禁止法で規制されていて、登録されていない無人航空機を飛行させることはできない。

 チケット不正転売禁止法なんていう法律もあったんですね。

 

CHAPTER4

 個人事業主は事業を開始すれば税務署に開業届を提出しなければいけない。

 文化庁では著作権契約書作成支援システムを提供している。

 インボイス制度の問題点を取り上げてくれている。本名公開の問題があることは分かったが、インボイスを発行できるのが課税事業者だけで免税事業者には発行できないとなると混乱が起きるのは目に見えている気がする。なのになぜこのような制度を導入したのだろうか?

 

CHAPTER5 相続や遺言が扱われています。

 

おたく的活動をする場合に限らず、日常生活に即して、幅広く法律問題を扱い、分かり易く説明してくれている本と思います。