一流の人が、他人に何を言われてもやらなかったこと。人生の価値を決める「秘密の行動基準」40 千田琢哉

2023年10月12日第1刷発行

 

帯封「あの人は、なぜ出世に興味がないのに稼ぎ続けられるのか? 日々の仕事術/時間の使い方/お金の使い方/勉強術/人間関係術 著書累計350万部突破のベストセラー作家がその共通点を初公開!」「この『目に見えない選択』が、人生を方向づける。▶単なる起業を「スタートアップ」と美化して悦に入らない。▶利益より、蓄積。▶時給で仕事をしない。▶「時短」「早帰り」に騙されない。▶目覚まし時計で起きない。▶所有しない。▶世のため人のために勉強しない。▶負けを悟っても、ついマウンティングをかまさない。▶自分の成功を確認するために、格下の集会に参加しない。」

表紙裏「よく巷の自己啓発書やインターネットでは「ナントカ社長の推薦!!」「○○先生も絶賛!!」といった類いのコピーを見かけるが、本当に一流の人たちは絶対にその種の醜態を晒さないし、強い嫌悪感を抱く。 いちいちあちこちで醜く、卑しくしゃしゃり出ることなく、黙って本業で淡々と実績を出し続けているのが真の一流なのだ。(「プロローグ」より)」

 

タイトルや帯封、表紙裏を読むと、それなりの内容があるのかな?と思って手にしたが、意外と残念な本だった。学歴至上主義とでもいうべき著者に共感する人が一定数いる、ということはかなりの驚きだった。「就職先でも転職先でも私は早慶旧帝大以上とは本音を打ち明けても、早慶旧帝大未満をまともに相手にしたことがない。早慶旧帝大未満が近づいてくると、カチッと頭の中のチャンネルが変わっておバカ専用の自分に変身できた。以上は誰もいちいち口にしてまで教えてくれないが、一流の世界の暗黙知である。」(182p)あくまで抜粋だから、これが著者の最も言いたいことだと決めつけることはできないが、しかし、ここから著者のパーソナリティーの一端が垣間見えるのを否定することはできないように思う。こういうスタンスの人とは、どこまで行っても平行線になるのは致し方無いのかもしれない。もっとも、大学4年間で蔵書が計1万冊以上になっていたというのだから勉強に没頭した(p140)というのは本当のようだ。この章では「悪い頭でも勝てる方法はあるし、足が遅くても幸せにはなれる」とも言っているので、独学で自分ならではの勉強法を発掘する効用も説いているので、あながち全否定すべき本でもない。