日野原重明の生き方哲学 よく生き、よく老い、よく病み、よく死ぬ 日野原重明

2002年9月10日初版発行 2002年9月20日初版第3刷発行

 

・日本の病院は医療機器は充実しているが、居住空間である病室となると遅れている。日本の病院は1病床当たり5平方メートルが多いが、欧米では15平方メートル以上。病院全体の総面積をベッド数で割ると、アメリカは115平方メートル以上で、聖路加国際病院のみがアメリカ並み。大学病院では65平方メートル、民間病院では30平方メートル。日本は欧米に50年は遅れている。

聖路加国際病院は最初は50名のボランティアだったが、30年経って315名に。アメリカ・ニューヨークのスローン・ケタリング記念癌センターでは500床の病院に600名のボランティアがいる。私は、ボランティア活動以上に人間であることを証明するものはないと思う。

・私は夜更けてから原稿を書き始め、夜10時から朝6時過ぎまでに25枚くらい原稿を書き、上手く出来上がるとやり遂げた歓びで1日中疲労感がなく活動できる。

・著者が尊敬し、終生の師と仰ぐウィリアム・オスラー教授は医学生にこう語った。「君達が卒業して出会う患者の問題のうち少なくとも3分の1は専門の医学書以外の本に書かれる内容のものである。(だから紳士たるにふさわしい教育を受けるためにも)就寝前の30分間本を読み、朝、目覚めたときベッド再度のテーブルの上に本が広げたままであってほしい」医学は科学であると同時に人間学である。