W 君と僕の世界 2016年 監督チョン・デユン

 2016年MBC演技大賞でイ・ジョンソクとハン・ヒョジュが2人揃って最優秀演技賞&ベストカップル賞を獲得。大賞と今年のドラマ賞を含む7冠の快挙を達成!

 

第1話 出会うはずのなかった2人

イ・ジョンソク演じる韓国の射撃選手カン・チョルは、17歳のオリンピック金メダルリスト。その有名人の家族全員が射殺され、凶器からカン・チョルの指紋が出てきたため逮捕起訴され、裁判で死刑が求刑される。ここまでが漫画Wの世界。

場面は現実に切り替わる。ハン・ヒョジュ演じるヨンジュは、ミョンセ病院胸部外科のレジデント。ある日、指導医のパク教授に呼び出され、人気連載中のウェブマンガ『W』の作家オ・ソンムが父かと尋ねられ、『W』の最終回を父から聞いてこいと命じられる。ヨンジュは執刀や縫合をやらせてやると言われてその気になる。父に電話すると、アシスタントのスボンから、ソンムが携帯も財布も置いて行方不明なったと教えられる。父の作業場で最終回の原稿をPC上で見ていたヨンジュは、PCから血がついた腕で体を掴まれPCの世界に取り込まれる。目を覚ますと、目の前に腹部を撃たれた男性が見まみれで倒れている。ソウルのホテルの最上階で応急処置を始めたヨンジュだったが、肺に空気が溜りすぐに空気を抜かないと命が危ない状態だった。駆けつけた男性のポケットからプラスチックのペンをへし折り、胸に突き刺して空気を逃がしてギリギリのところで男性を救うと、男性は瞬間意識を取り戻し起き上がった。カン・チョルという名前でホテルの代表だった。父が漫画でラストシーンとして描いていたのと同じ状況に戸惑うヨンジュ。「つづく」の文字が見えると再びヨンジュは父の作業場に戻っていた。そこにスボンが現れ、ソンムが無事入稿したことを聞き、安堵したのもつかの間。PCで原稿を読むと、ヨンジュが経験したことがそのまま漫画になっていた。ヨンジュそっくりの女性がカン・チョルを救出しているのを見て、ヨンジュは驚愕する。カン・チョルの家族一家殺人事件は1審・2審とも有罪判決だったが、最高裁は証拠不十分で無罪に。しかし世間の目は冷たくカン・チョルは自殺を図るが、直前に逆転勝利の言葉が思い浮かび、一命を取り留め、新犯人を突き止めることを決意する。漫画に戻り、カン・チョルは突然姿を消したヨンジュを人生のカギを握る女性だと語り探そうとする場面を見たヨンジュはますます頭の中が混乱する。

 

第2話 初キスでつづく物語

父のソンムが戻ってきたと聞き、作業場を訪れたヨンジュは不思議な経験をしたことをソンムに話そうとしたが、何も言えず最近の2話は本当に父が描いたのかだけを聞いた。父は自分が描いたと答えた。ソンムはカン・チョルが入院中に看護師より劇薬を点滴に紛れ込まされて死ぬ場面を描き始め、スボンからそれを聞いたヨンジュは、父に電話をかけて辞めさせようとするが、その電話の最中、再び漫画の世界に引き戻されてしまう。ヨンジュは病院に向かい危機一髪のところでカン・チョルを救う。ところがソンムのPCではソンムが描くのでなく、ヨンジュがカン・チョルを救う場面が自動的に描かれていた。カン・チョルは探していたヨンジュとの再会を喜ぶが、ソンムのPCで再びヨンジュが経験していた内容が自動的に描かれたため、ソンムはPCの前で頭を抱える。ヨンジュはカン・チョルに自分のことが説明できないので、周囲の人達を人払いしてほしい、カン・チョルと二人だけで話をしたいと求め、二人だけになると、理由を聞かないで部屋から出してくれと頼み、説明は退院したらすると約束する。30分しか経っていないのに、カン・チョルから退院したとの電話を貰い、カン・チョルから2か月経ったと聞かされる。漫画の世界にいるなら、エンディングに相応しい事件を起こせば現実に戻れると考えてヨンジュはカン・チョルに平手打ちするが、何も変わらない。再度、ヨンジュはカン・チョルにキスすると「つづく」の文字が現れ、その場を離れると現実に引き戻される。現実では30分しか経っていなかった。ヨンジュはソンムに電話して自分が経験したことが再び漫画になっていることを告げ、ソンムは関わるなと言って電話を切り、急に連載を終わらせるとアシスタントに宣言して作業場を飛び出す。モーテルにこもってカン・チョルがトラックに轢かれた漫画を描いて幕引きを図ろうとするが、カン・チョルが轢かれる瞬間を回避すると、なぜかソンムのPC上の漫画が修正されてカン・チョルが轢かれた絵が消去されてしまい、ソンムが漫画を制御できなくなってしまった。

 

第3話 ヒロイン交代!?

ヨンジュがカン・チョルにキスをして驚かせて現実の世界に戻ることに成功し、アシスタントのスボンに来ている高級ワンピースが漫画の柄と全く同じだと説明してヨンジュの話を信用して欲しいというが、スボンは信じられない。ヨンジュは過去の漫画の原稿を見て、父ソンムの下を離れた時に描いた漫画の頃から漫画の内容に変化が起きているのではないかと感じ始める。ソンムが過去に描いた場面ではカン・チョルを橋から投身自殺したはずだったのに、PC上の画面ではカン・チョルが生いている場面に勝手に修正されていることに驚く。バス停でヨンジュがスボンと話をしているといつの間にか気絶してしまい、再び漫画の世界に舞い戻る。ヨンジュが姿を消した女性服の店で発見したカン・チョルは自分のペントハウスに連れて行って介抱するが、ヨンジュは無意識のうちにカン・チョルについて知っていることを口にしていた。カン・チョルは自分の内心を含めて誰も知らないことをヨンジュが多く知っていることに驚く。2日後に目覚めたヨンジュは、マンガの中から脱出するため再びカン・チョルを驚かせようと、バスローブにシースルーの下着を身につけた姿をカン・チョルに見せるが、何も変化が起きず、思いっきり恥ずかしい思いをする。次にカン・チョルが枕の下に隠していた拳銃を取り出すが、すぐにカン・チョルから拳銃を突き付けられ、ヨンジュの秘密を明かすよう迫る。ヨンジュはカン・チョルが動揺すると消えることができることだけ説明するが、納得できないカン・チョルはヨンジュの心臓目掛けて発砲した。ところが弾はヨンジュを突き抜けて後ろの壁に食い込むだけで、ヨンジュの体には異変が起きない。一体どういうことか?ヨンジュは気を失い、銃声に驚いた秘書のユン・ソヒが部屋に入り、ヨンジュを警察に引き渡そうとするのをカン・チョルは認めない。カン・チョルはヨンジュが異次元の世界から来た不死身の女性だということが分かった、理由を明らかにするまで一緒に暮らそうと持ち掛ける。出張に出かける直前にヨンジュに年齢を尋ねて、ヨンジュは正直に答える。ヨンジュはカン・チョルが彼女を人生の鍵と言った時からこの漫画のヒロインはソヒからヨンジョに交代したと独りごとを言った。

 

第4話 どぎまぎセレブ生活

カン・チョルは犯罪捜査を担当するヒョンソクに会いに行き、カン・チョルが経験した一連の事件はいずれも脈絡がない、理由が分からない、犯人が分からない点で共通している、犯人は異次元に存在しているのではないか、ヨンジュはその秘密の扉を開けてくれる唯一の鍵だと告げる。ペントハウスに残ったヨンジュは、カン・チョルの用意した高価な服や化粧品の山を見て驚く。ところがソヒの罠に嵌り警察に捕まる。ヨンジュは住民番号をはじめ、何一つ答えられず拘置所に送られる。これを知ったカン・チョルは出張先から急遽帰国し拘置所に直行し、面会室でヨンジュが来た世界とはどこか明らかにしないと、先は真っ暗闇だと自らの経験を交えて説得する。ヨンジュはそれを聞けばカン・チョルが後悔すると言って拒むが、遂に自分が読んでいる漫画の世界がここであり、カン・チョルが漫画の主人公だと告げる。そして「つづく」の文字が移り、ヨンジュは面会室から姿を消す。現実世界に戻ると、スボンが監獄服を着たヨンジュを見つけ、服を一緒に買いに行く。現実世界では30分が経過しただけだった。漫画はヨンジュが経験したことがネットに公開されており、スボンの頭の中はぐちゃぐちゃに。カン・チョルは逃亡を助けたとして無罪事件の検事に再び狙われる羽目に。ヨンジュはスボンから連載を終わりにしようと言われ、スボンは漫画の「つづく」を消した。すると漫画の世界の人物はカン・チョルを除き、全て動きが停止した。カン・チョルが真実を知ったため、PC上の画面が真っ白になる。カン・チョルの世界では漫画と現実を繋ぐ扉が現れ、カン・チョルは拳銃を持って現実の世界へと飛び込む。現実世界の、とあるビルの屋上にカン・チョルは現れた。

 

第5話 君の暮らす世界

現実世界の本屋で漫画を手に取り一気に読み終えたカン・チョルは、自分が漫画の主人公で自分の人生がすべて描かれていることを知って呆然とする。病院にいたヨンジュは同僚から「婚約者が来た」と言われ、身に覚えがなかったが、確認すると、漫画の世界にいるはずのカン・チョルが目の前にいて驚く。カン・チョルはヨンジュに、自分のことを想って本当のことを言わなかったことへの感謝の御礼を伝える。手術の立会いに呼ばれたヨンジュはカン・チョルに行く所がないからこのままここで待つよう言い、手術室に戻る。カン・チョルは一人ソンムの家に向かい、誰もいない作業場で漫画が作成されている現場を確認すると、机の上の物を払い落とす。そこにソンムが帰宅してカン・チョルと鉢合わせる。ソンムはカン・チョルをナイフを振り回して殺そうとするが、カン・チョルは拳銃をソンムに向けた。ソンムがヨンジュにかけた携帯をヨンジュが取ると、二人が争っている音を聞いたヨンジュは作業場の近くにいたスボンに連絡して、カン・チョルに彼女が帰るまで待つよう伝言を頼む。カン・チョルはソンムになぜ漫画を描き、カン・チョルを登場させたのかを語った。一方でソンムは勝手に漫画が出来上がるのを人に相談しても信じてもらえず苦しんでいた。それらをヨンジュは携帯から全部聞いていた。カン・チョルは漫画の結末を書いて漫画の世界の人達の止まった時間を元に戻すようソンムに拳銃を突き付けるが、ソンムはカン・チョル一家殺害の犯人を想定しておらず結末を書けないと言い、最後に業を煮やしたカン・チョルは引鉄を引くと、弾丸がソンムの胸を貫く。

 

第6話 “終”のつづき

ヨンジュは父ソンムを乗せた救急車に一緒に乗り込んで救命処置を行っていた。カン・チョルはヨンジュ宛の遺書を書いて病院関係者に託して自らは漢江に飛び込んで自殺を図った。この場面をweb漫画で見たヨンジュは漢江の橋に駆けつけるが、カン・チョルの姿は見つからなかった。ソンムは一命を取り留め、漫画『W』の編集者と会ったヨンジュは、カン・チョルの死に方に納得がいかないと最終回に不満を抱く読者がカン・チョルを生き返らせてほしいという署名運動を行っていて、ソンムにカン・チョルの復活を描くよう説得して欲しいと頼まれるが、ヨンジュはたかが漫画のキャラクターにそこまで入れ込むことはないし父は描き直すことはしないと言って断る。ヨンジュはソンムから描かない理由、「終」を消そうとしても消せないこと、と描けない理由、ヨンジュのためであることを聞く。ヨンジュは、教授から勧められた見合い相手に会うと、トイレに行った際に一時的に漫画の世界に戻り、漢江に沈むカン・チョルを河の中で発見し助けようとするが深く沈んでいくのを見て助けられず、ズブ濡れで現実世界に戻ってきた。漫画は「終」となっていたのに「つづく」に変わっていた。ヨンジュはアシスタントのスボンにカン・チョルを蘇らせてほしいと頼み込み、スボンはPC上で描くが、カン・チョルは蘇ることはなかった。スボンはかつてソンムからカン・チョルはヨンジュが考え出したことを思い出し、ヨンジュが描けばカン・チョルが甦るのではないかと思い、ヨンジュにそのことを告げると、ヨンジュは再び漫画の世界に戻り、拘置所の中の面会室で倒れていた。カン・チョルは漢江の中で無事救出され、ヨンジュは意識を取り戻すと漫画の世界に戻れたことで笑顔一杯になる。

 

第7話 続編は甘いロマンス

ヨンジュは拘置所に逆戻りし護送されるが、カン・チョルは護送車の中のヨンジュに再会し、ヨンジュから合法的に拘置所から出してほしいと頼まれる。カン・チョルは4つの選択肢をヨンジュに提案し、その中からヨンジュは飾らない恋愛を選ぶと、カン・チョルは偽装結婚することにして結婚指輪をヨンジュに贈る。甘いロマンスの教則本に則ってカン・チョルはヨンジュが望むことを実現するため、ヨンジュの髪を結いたり一緒に買い出しに行ったりした。幸せな二人の生活が始まるや、カン・チョルに謎のメッセージが届くようになる。差出人はカン・チョルの家族を殺した真犯人からだった。

 

第8話 君を守る方法

真犯人はカン・チョルに、次はヨンジュの額を撃ち抜くだと脅すメッセージを送る。ヨンジュが料理中に包丁で指を切り血を流す姿を見てカン・チョルはヨンジュが漫画の中でも死ぬことに気づき動揺すると、ヨンジュは漫画の世界から再び姿を消し現実世界に戻った。漫画の「終」を「つづく」に変えたのは真犯人だった。カン・チョルに見つけられるのを10年待っていたのにカン・チョルが死んでしまうのは許せなかった。真犯人は現実世界に飛び込み、ヨンジュの命を狙うようになり、ヨンジュに向かって拳銃を発砲した。その瞬間、ヨンジュは漫画の世界に戻り、真犯人はヨンジュの父ソンムの向う旅行先の航空機に現れた。カン・チョルはロマンスを4つしか実現できなかったが、ヨンジュを守るためにはヨンジュが現実世界に戻って漫画の中で全てを夢であったと描くしか真犯人を漫画の中に閉じ込めておくことはできないからそう描くと約束して欲しいという。ヨンジュが約束すると、カン・チョルは最初にヨンジュに出会ったビルの屋上から飛び降りる。カン・チョルが夢から醒めると、悲しい夢を見ていたために泪を流して目覚めた。