2021年4月19日 初版第1刷発行
第1章から第3章までは著者の思考法が詳しく書かれており、この部分は特に汎用性が高いです。
第1章ではロジックツリーが。これは説明不要でしょう。
第2章ではランチェスター戦力。
局地戦 第1法則「弱者の戦略」=「武器効率×兵力」の差で勝ち負けが決まる。
広域戦 第2法則「強者の戦略」=「武器効率×(兵力)の2乗」の差で決まる。
広域戦を戦うときは兵力(人、モノ、カネ)に勝る部隊が圧倒的に有利になる
第3章では比較優位の原則。
「相手側が自ら用意するのが大変で欲しがるものを提供できれば、その他の面で劣っていても取引が成立する。だからその財の生産に集中せよ」
第4章は著者の学生時代のエピソードが中心。しかし、どれも刺激的で、今の学生の人達にもこういうチャレンジ精神をもって欲しいと思う内容ばかりです。
特に他人の失敗談をかき集めたことが後々重要な意味を持ったという視点は新鮮。
また、ビジョンを語り支援者をとお金を集めることに天才的な出雲さん、健康食品業界の経験者で営業力が抜群に高い福本さん、そしてユーグレナの研究をつづけてきた著者の、人の組み合わせの絶妙さは抜群だと思いました。
第5章のユーグレナの未来性にはワクワクさせられました。アトピー性皮膚炎の症状を抑制できるパラミロンの可能性、宇宙空間での活用、バングラデシュでスラム街の子どもたちにユーグレナ入りクッキーを配布し栄養失調問題の改善を目指すなどなど。
第6章は、次世代研究者・起業家への助言で締めくくられています。
最後の最後で、著者が小学生時代に経験した、多数決の恐ろしさ(世間は真理より納得できるかどうかが重要だったという教訓)と、世間を説得する技術を持っていなければ持っている人を活用すべきであるという提言めいた言葉で終わっているのは、微笑ましいと言えば微笑ましいエピソードですが、やはり人とのつながりを大事にしてきた著者だからこその言葉でもあるような気がします。
分野・畑は、全く違えど、様々なインスピレーションを与えてくれる良書でした。