私の履歴書 振り子を真ん中に 高村正彦

2017年11月24日第1刷

 

帯封「現実的に合理的に何が国益かを考える。外交・安全保障で活躍してきた自民党副総裁が、自らの原点から、37年余の議員生活まで回顧。生々しい証言の数々から、政治の実相が現れる。」

 

目次

まえがき-衆議院議員を退いて

第一章 私の原点

第二章 政界へ

第三章 日本のトラブルシューター

第四章 派閥の領袖として

第五章 振り子を真ん中に

第六章 日本の将来を見据えて

 

まえがきで、タイトルにある「振り子を真ん中に」の意味について、「世の中にはさまざまな主義主張があるが、ともすれば激しい物言いにあおられて、振り子が大きく左右に振れることがある。そのときに振り子を素早く真ん中に戻す。これが政治にとって大切だ。軍国主義から空想的平和主義へ。真ん中は現実的平和主義だ。現実的平和主義とは、平和を守るために平和外交の努力と共に、一定の抑止力も必要だという当たり前の考え方だ。戦後の日本では非武装中立論がもてはやされた。それで本当に日本は大丈夫なのか。自衛隊はいらないのか。そんな問題意識で政界に入った」と語る。

衆議院選に連続12回当選し、外交・安全保障に力を入れてきたのは、衆議院議員のほか、徳山市の市長を4期務めた父の「内政の失敗は一内閣が倒れれば足りるが、外交の失敗は一国が滅びる」との言葉があったからだった。合気道の五段保持者で、武道館の9代目の会長、武道議員連盟の会長を務め、(執筆)当時は日本相撲協会横綱審議委員を務めていた。労政法曹団(現・自由民主法曹団)に名を連ね、自民党の顧問弁護団のような集まりに顔を出し、国会議員にならなくても間接的に日本のかじ取りの一翼を担えるという思いを抱いていたが、昭和55年のパプニング解散で急遽出馬し、大平正義総理大臣の同情票やダブル選挙効果もあり自民党大勝の中で初当選を果たした。法務大臣外務大臣、副総裁と要職を歴任してきた人物だけに、なかなか短い言葉の中にも含蓄がある。