2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

飛ぶ教室 エーリッヒ=ケストナー

2011年1月17日第1刷発行 表紙裏に「これは血も涙もある温かい物語です。そしておもしろさとユーモアのうちに、友情と正義と勇気のたいせつさを身にしみて教えてくれます・・正義とはいっても、彼はただ、人間として卑しいことをするな、恥を知る人間であれ…

孫育てが楽しくなる楽観主義のすすめ 鈎治雄

2022年4月30日初版第1刷発行 表紙に「祖父母たちの生きる姿勢は、確かな教育力となって、次の世代を育んでいくー。子どもたちと向き合う心を、心理学の視座からわかりやすくアドバイス」とある。 裏表紙には「主な内容」として「第1章 祖父母の大切な役割」…

なぜ人類は戦争で文化破壊を繰り返すのか ロバート・ベヴァン 駒木令/訳

2022年2月23日第1刷 表帯封で「全米で話題」「ナチスのホロコースト、チベット問題、世界貿易センタービル、バーミヤンの仏像など現在も未解決の問題の根底にあるものは?」と問い、裏帯封で「モスクはたんなる祈りの場ではない。敵にとっては、抹殺すべき共…

黒猫・黄金中 エドガー=アラン=ポー 松村達雄・繁尾久/訳

2010年12月16日第1刷発行 黄金虫 冒険小説であり、暗号解読小説でもある。羊皮紙は熱に当てられると地図や文字があぶり出てくる性質があり、それを元に財宝を150万ドルの財宝を手に入れるというお話。ポーの代表作の一つである。 黒猫 怪談、怪奇小説。可愛…

おじいさんのランプ 新美南吉

2004年6月7日第1刷発行 いずれも、今から70年以上前の童話作家の作品。 「牛をつないだ椿の木」 旅人のために他人の土地に井戸を掘らせてもらいたいと思った主人公が、寄付を募ってもうまくいかない、地主に協力を求めても応じてもらえず、地主が死ねば息子…

燃えよ剣(上) 司馬遼太郎

昭和47年5月30日発行 平成19年1月20日96刷改版 平成31年2月25日120刷 表紙裏に「俺は今日から武士になるー。幕末の激動期、武州多摩のバラガキだった土方歳三は、近藤勇、沖田総司らとともに、京へ上る。京都守護職御預の名のもと、『新選組』を結成、池田屋…

小さな王国・海神丸 谷崎潤一郎、鈴木三重吉、野上弥生子

2009年2月23日第1刷発行 「小さな王国」谷崎潤一郎 他の生徒から尊敬される餓鬼大乗の話か、と思って読み進めていくと、この餓鬼大将は自分の名字を書き入れた貨幣を発行し、しかも先生が品物薄に困ってこの餓鬼大将の軍門に下ってこの貨幣経済に参加するた…

エマソン選集5 美について 斎藤光/訳

昭和36年10月1日初版発行 昭和44年3月1日3刷発行 彼の美学思想は彼の中心思想から派生したものであるといえるが、その中心思想は物質と精神の象徴関係を想像力により把握することから出発した。 以下、気に留めた箇所を抜き書きする。 霊感 ナポレオンはいっ…

泣虫小僧 林芙美子

1976年3月初版発行 1987年8月第10刷発行 母親にすてられて親戚の家をつぎつぎにたらいまわしにされていく啓吉少年の悲しさを描いた小説。啓吉少年を中心に描き分けられているが、いずれも経済的に豊かとはいえない階層の人々の、(母親)貞子、寛子、蓮子、…

「具体⇔抽象」トレーニング 思考力が飛躍的にアップする29問 細谷功

2020年3月31日第1版第1刷発行 2021年6月10日第1版第13発行 裏表紙には「『具体⇔抽象』とは、抽象化と具体化という形で具体と抽象を行き来する思考法のこと。斬新な発想ができるようになるだけでなく、無用な軋轢やコミュニケーションギャップの解消にも役立…

ノンフィクション名作選 植村直己 黒柳徹子 小泉丈夫 日高敏隆 澤地久枝

1988年5月23日第1刷発行 1996年3月22日第10刷発行 植村直己「朝焼けのゴジュンバ・カン」 著者が飛び入り参加の形で標高7646メートルの未踏峰ゴジュンバ・カンの頂上登攀に成功したことが新聞に大きく報じられるが、著者としては頂上に立ったというだけ…

ノンフィクション名作選 向田邦子 灰谷健次郎 河合雅雄 梅棹エリオ 椎名誠ほか

1988年5月23日第1刷発行 1996年3月22日第10刷発行 10人ものノンフィクション作家の作品を散りばめた名作選。前半の5人分。 冒頭の松田哲さんの解説も参考に、読後感・気に入ったフレーズを抜き書きしてみる。 向田邦子 「字のない葉書」(『眠る杯』より)、…

芙蓉の人 新田次郎 

2014年6月10日 新装第1刷 明治の時代に、男尊女卑も甚だしい時代に、かくも崇高な信念に生き、命を賭けて行動に移した女性がいたとは?!感動以外の何物でもない。 裏表紙に「時は明治28年である。正確な天気予報をするためには、どうしても富士山頂に恒久的…

教えるということ  大村はま

1996 年 6 月 10 日第 1 刷発行 2017 年 12 月 5 日第 34 刷発行 裏表紙に「50 年に及んで一教師として教育実践の場に立ち、退職後も新しいテーマを研究・発表しつづけている著者が、本当に“教える”ということはどういうことなのか、具体的な数々のエピソー…

宇宙を支配する「定数」 万有引力定数から光速、プランク定数まで 臼田孝

2022年2月20日第1刷発行 表紙裏に「万有引力定数=G、光速=C、プランク定数=h・・・。科学はいかにして『その場』にたどり着いたか? 万有引力の法則から相対性理論、量子力学まで、宇宙の成り立ちを説明する物理法則には、必ず『固有の値』=物理定数が…

ムツゴロウの青春記 畑正憲

1985年9月初版発行 1986年8月第2刷発行 素晴らしい表現を随所に織り交ぜながら、軽妙なタッチでグイグイ読ませてくれる。 少年時代に大自然の中で育った筆者は、都会の生活が本当に幸せなのかを問う。「農村から都市へ出た若ものは、本当に幸福になっている…

完全版 日本婦道記(下) 山本周五郎

2018年4月13日第1刷発行 上巻に続き、珠玉の短編集である。 裏表紙に「代表作にして、直木賞辞退作としても知られる『日本婦道記』。無骨者で知られる大三郎の許嫁だと、でまかせを言ってしまったあきつ。だが大三郎の家では姑が喜び、あきつを迎える。戦地…

完全版 日本婦道記(上) 山本周五郎

2018年4月13日第1刷発行 表紙裏に「1942年、太平洋戦争の中に始められた連載『日本婦道記』。戦中・戦後の混乱期を通し、著者が描き続けた日本人の姿、生き方とは。裕福な武家の家に嫁ぐも、自らはつつましい生活を送る女。その死によって明らかになる彼女の…

ホメーロスのオデュッセイア物語 バーバラ・レオニ・ピカード 高杉一郎/訳

1972年7月10日第1刷発行 1980年12月10日第7刷発行 イーリアスの続編。トロイア戦争勝利後の凱旋途中に10年にも及ぶ漂流物語。 イーリアス以上にギリシアの神々が出てくるが、こちらは完全にファンタジーとして読み進めることが可能なストーリー展開になって…

強力伝 新田次郎,  私の大阪八景 田辺聖子

1988年4月20日第1刷発行 1989年4月4日第2刷発行 山岳小説の開拓者である新田次郎は「強力伝」で第34回直木賞(昭和31年)を受賞した。強力とは登山者の荷物などを背負い、山を案内するガイドのこと。山男の小宮正作が巨石を担ぎ上げた挙句死を予感するまでを…

高安犬物語 戸川幸夫

1988年4月20日第1刷発行 1989年4月4日第2刷発行 動物文学の第一人者戸川幸夫は「高安犬物語」で第32回直木賞を受賞(昭和29年)。 巻末の小松伸六の解説にあらすじがスッキリとまとめられている。 「作者が山形在住中に調査した材料にもとづき、絶滅しかかっ…

藤村詩集・嵐 島崎藤村

1975年1月初版発行 2004年4月第19刷発行 浪漫主義の新しい思潮の中で日本近代詩の夜明けの幕を切り開いた藤村は詩から小説へと移っていった。その原点が「千曲川のスケッチ」だった。本書には収められていないが『破壊』により自然主義の作家として不動の地…

[ヴィジュアル版]歴史を動かした重要文書 ハムラビ法典から宇宙の地図まで ピーター・スノウ+アン・マクミラン 安納令奈+笹山裕子+中野眞由美+藤嶋桂子(その3)

第4部 20世紀以降[1903年-現在] ・ライト兄弟の電報 ライトが1903年12月17日に父送った電報や世界初の動力付き飛行機の設計図が掲載されている。 ・フレデリック・タブのガリポリ日記 オーストラリアの軍事史における決定的瞬間に立ち会ったタブ大尉の壮…

[ヴィジュアル版]歴史を動かした重要文書 ハムラビ法典から宇宙の地図まで ピーター・スノウ+アン・マクミラン 安納令奈+笹山裕子+中野眞由美+藤嶋桂子(その2)

第3部 革命の時代[1776年-1893年] ・アメリカ独立宣言 ハンコックを筆頭に56名が署名した、1776年7月4日の宣言。起草者はジョン・アダムズ、ロジャー・シャーマン、ロバート・リビングストン、トマス=ジェファソン、ベンジャミン・フランクリンの5名。 …

[ヴィジュアル版]歴史を動かした重要文書 ハムラビ法典から宇宙の地図まで ピーター・スノウ+アン・マクミラン 安納令奈+笹山裕子+中野眞由美+藤嶋桂子

2022年1月30日初版第1刷発行 第1部 青銅器時代・鉄器時代[紀元前1800年-西暦100年頃] ・ハンムラビ法典 バビロニア王ハンムラビは282条の法典を定め、紀元前1750年頃に石柱に刻まれたものは世界最古の法典である。推定無罪の法則、最低賃金、復讐法等。 …

読書会の教室―本がつなげる新たな出会い 参加・開催・運営の方法 竹田信弥+田中佳祐

2021年12月15日初版 著者は8年間で500回以上の読書会を行ってきた。二人いればもう読書会。 オンラインの読書会もあれば、課題本方式(主催者が本を選定)や持ち込み方式(参加者が選定)の読書会、読書会の回数は1回や複数回のものもあれば、全集読書会など…

時間と自由 ベルグソン 平井啓之/訳

1990年12月10日発行 巻末の加藤典洋による「解説=テキストを読む 言葉にならないもの―哲学嫌いのベルグソン」によると、「『これが手だ』と、『手』という名辞を口にする前に感じてゐる手、その手が深く感じられてゐればよい(中原中也『芸術論覚え書』)」…

オルタネート 加藤シゲアキ

2020年11月20日発行 2021年1月30日6刷 ネット検索で「第42回吉川英治文学新人賞」受賞作とあった。「2021年本屋大賞ノミネート作品」、「第164回直木三十五賞候補作」でもあったようだ。アイドルと作家の両立と聞いて、どんな作品を書いているんだろうと思っ…

エマソン選集3 生活について 小泉一郎/訳 エマソン選集4 個人と社会 原島善衛/訳

エマソン選集3 生活について 小泉一郎/訳昭和 36 年 3 月 25 日初版発行 昭和 44 年 3 月 1 日 4 刷発行神秘主義から世俗の世界へ下ってきた彼が、現実の諸問題に対決して、英知あふれた生活指針を示した諸篇は、彼の思想とその本質を知る必須の書「運命」…

物語 ウクライナの歴史 ヨーロッパ最後の大国 黒川祐次

2002年8月25日発行 元ウクライナ大使による著書。 表紙裏には「ロシア帝国やソヴィエト連邦のもとで長く忍従を強いられながらも、独自の文化を失わず、有為の人材を輩出し続けたウクライナ。不撓不屈のアイデンティティは、どのように育まれてきたのか。スキ…