2024-03-01から1ヶ月間の記事一覧

心淋し川 西條奈加

2020年9月10日第1刷発行 2021年1月30日第3刷発行 心淋し川 心(うら)町で生まれ育ったちほは、志野屋という仕立屋から仕事を回してもらい、父と母の生活を支える19歳だった。姉は一足先に嫁に行き家を出ていった。ちほも早く家を出て、上絵師の元吉と一緒に…

映画は狂気の旅である 私の履歴書 今村昌平

2004年7月5日第1刷 目次 割りの悪い仕事-まえがきにかえて 第1章 早熟な都会のお坊ちゃん 第2章 鬼の今平 第3章 常民を撮る、神を撮る 第4章 創造の曠野へ 今村昌平・全作品リスト 親父の横顔―息子から見た今村昌平(天願大介) ・大正15年9月15日、耳…

一神教と帝国 内田樹 中田考 山本直輝

2023年12月20日第1刷発行 表紙裏「第一次世界大戦後、西欧列強が『国民国家』を前提とし中東に引いた国境線。それが今なお凄惨な戦争の原因になっている。そのシステムの限界は明白だ。トルコ共和国建国から100年。それはオスマン帝国崩壊100年を意味する。…

おわらない音楽 私の履歴書 小澤征爾

2014年7月25日第1刷 世界を駆け抜けた疾風怒濤の79年、未完の指揮者人生を爽やかに振り返る。 ・昭和10年9月1日、旧満州生まれ。歯医者だった父が満州事件をきっかけに政治活動にのめり込み、石原莞爾さんと板垣征四郎さんに目をかけられ、1字ずつもらって「…

イエスの裔 柴田錬三郎

昭和55年4月25日初版第1刷発行 イエスの裔「三田文学」昭和26年12月号 第26回(1951年下期)直木賞 検事は、妊娠した孫娘(和枝)を殺害した老人(指貫藤助74歳)から、殺害動機について、子を生ませたくなかったとの供述を引き出すことに成功したが、老人は…

私の履歴書 早川徳次(早川電機工業社長) 経済人6

昭和55年8月4日1版1刷 昭和59年2月23日1版9刷 ①五十年前の苦難いまも眼前に ②九歳でかざり屋に年季奉公 ③徳尾錠を作り特許をとる ④寝食忘れ繰り出し鉛筆を完成 ⑤大震災で一瞬に事業家庭を失う ⑥鉱石ラジオの組み立てに成功 ⑦思いもかけぬ差し押え ⑧戦後の混…

いつかはF1 私の履歴書 中島悟

2022年12月1日第1刷 表紙「F1ブームを巻き起こし、モータースポーツを牽引 日本人初のF1フルタイムドライバーを経て、レーシングチームの総監督。クールな語り口で、サーキットの臨場感たっぷりに来し方を振り返る言葉は、レースの未来、さらには人と車…

お吉写真帳《下》 安部龍太郎

2016年12月10日発行 オランダ水虫 主人公の西周は哲学という用語の考案者として名高い。 まなこ閉ぢ給ふことなかれ 巻末の島内景二の解説によれば、21歳で貞操の喪失と父兄の戦死とを代償にして「日本で初めての婦人記者の誕生」のヒロインとなった向井春子…

私の履歴書 奥村政雄(日本カーバイド工業社長) 経済人6

昭和55年8月4日1版1刷 昭和59年2月23日1版9刷 ①幼年期に父の私塾で詩経など暗記 ②寺子屋式小学校から高小寄宿舎へ ③中学時代、夏目漱石に英語を習う ④東大時代、親友広田元首相の思い出 ⑤日比谷の焼き打ち事件を目撃 ⑥大蔵省から三菱地所へ移る ⑦小岩井農業…

お吉写真帳《上》 安部龍太郎

2016年12月10日発行 ヘダ号建造 豆州戸田村の船大工の虎吉は洋式帆船の研究を始め、塾を開いた韮山代官の江川坍庵を通じて川路左衛門尉から紹介状を貰い、下田に入港した全長60メートル近い巨大なロシア船ディアナ号に乗り込んだが、運悪く安政大地震に見…

私の履歴書 佐々部晩穂(松坂屋会長) 経済人6

昭和55年8月4日1版1刷 昭和59年2月23日1版9刷 ①晩酌を楽しむ演芸好きの母 ②一高入学、活動写真通い ③京大時代、教授が縁談を ④日銀時代、異国で父の死を ⑤日銀をやめて伊藤銀行へ ⑥五十歳で応召、軍票整理 ⑦CBCが全国に先がけ第一声 ⑧中部経済圏の重要さを痛…

レオン氏郷《下》 安部龍太郎

2017年11月20日発行 氏郷は、秀吉から木村吉清の知行地と合わせて奥州平定の実を上げよと言われていた。だが木村の失政のために起きた一揆では政宗が背後で糸を引いていた。会津でも政宗が裏に回って一揆が起きる恐れもあった。氏郷は家康に軍勢を借りて会津…

私の履歴書 林房雄(作家) 日本経済新聞社 文化人2

昭和58年10月5日1版1刷 昭和58年11月7日1版2刷 ①やせおそろえた終戦前夜 ②通夜の席で「承詔」論争 ③G項追放で糧道絶たれる ④新夕刊に参画、左翼ににらまる ⑤トモダチ集めXマス・パーティー ⑥追放解除…だが虚無感だけ残る ⑦三笠宮ご夫妻とアンデスへ ⑧「文芸…

レオン氏郷《中》 安部龍太郎

2017年11月20日発行 信長は征夷大将軍への叙任のために上洛する際、忠三郎を同行させなかった。信長は冬姫が懐妊したため側にいるよう配慮したためであった。本能寺の変が起きたのはこのタイミングだった。忠三郎は信長の妻子を呼び寄せて中野城で蒲生家の総…

私の履歴書 大佛次郎(作家) 日本経済新聞社 文化人2

昭和58年10月5日1版1刷 昭和58年11月7日1版2刷 ①ころんで起き上がれない“福助頭” ②醜いものを避ける癖 ③相馬御風の思い出 ④楽しかった牛込お伽倶楽部 ⑤父は優しい気性だが家長の威厳 ⑥「神々の死」を繰り返し読む ⑦外交官を望んで一高の仏法科へ ⑧若き日の遍…

レオン氏郷《上》 安部龍太郎

2017年11月20日発行 近江の武将蒲生賢秀の嫡男鶴千代は幼き頃より聡明だった。信長が戦って勝てる相手か否か岐阜城下までに行って自分の目で確かめ、到底敵う相手でないと判断すると、そのことを父に報告した。蒲生家の主城日野城では信長に身方するか否か評…

気配りの正解 後田良輔

2013年7月4日第1刷発行 帯封「日本人の基本!言い方ひとつでこうも印象が変わるのか! ・挨拶・ほめ方・お礼(手土産)・反論・伝え方・断り方・質問・謝り方・お願い・励まし方 〇×で断言!」 ・名刺は「手帳」から取り出すのではなく、「上着の内ポケット…

私の履歴書 水原秋櫻子(俳人) 日本経済新聞社 文化人2

昭和58年10月5日1版1刷 昭和58年11月7日1版2刷 ①一生医師として働きつづけた父 ②父に押し切られ独協中学にはいる ③問題がむずかしく一高を二度失敗 ④一日十二時間の勉強で三度目に合格 ⑤一高時代、十日の練習で正三塁手に ⑥東大医学部、教科書より文学書を ⑦…

絵物語 長谷川等伯 (画)西のぼる (文)安部龍太郎

2013年6月10日第1刷 表紙「激動の戦国の世に、日本の水墨画の最高峰を生んだ謎多き絵師の生涯が、華麗な絵巻物で浮かびあがる!直木賞受賞作『等伯』の日経新聞連載時の名コンビが復活!巻末に安部龍太郎『等伯』10選の写真と、作品解説を収録。」 表紙裏「…

私の履歴書 尾崎士郎(作家) 日本経済新聞社 文化人2

昭和58年10月5日1版1刷 昭和58年11月7日1版2刷 ①“よくお泣きやした”子供の頃 ②母に連れられて叔父の家へ養子に ③“坊ちゃん”を読み文学に興味を ④中学一年で落第、村中の評判となる ⑤中学四年、弁論大会で「学生論」を ⑥単身樹夫供して早稲田大学へはいる ⑦「…

アラビアン・ナイト《下》 ディクソン編 中野好夫訳 

1961年12月16日第1刷発行 2001年9月18日新版第1刷発行 2014年4月24日新版第11刷発行 解説によると、ガランのフランス語訳は、その後『アラビアン・ナイト』が各国で普及するうえで最も大きな影響が与えたが、ガランの訳本にはアラビア語の原本にはない“アラ…

データでまるわかり! 国循のなぜこれが生活習慣病にいいのか? 国立循環器病研究センター

2016年11月3日第1刷発行 ・カリウムの摂取はナトリウムの排泄を促すので血圧低下に役立つ。バナナとヨーグルトで500mgをクリアーできる。 ・食物繊維は1日20gを目指す。平均は15gだし、350gの野菜を取っても食物繊維は8.5g程度だというから、もっと意識して…

私の履歴書 長谷川如是閑(評論家) 日本経済新聞社 文化人2

昭和58年10月5日1版1刷 昭和58年11月7日1版2刷 ①明治の性格 ②明治初期の風習 ③私の生家 ④表現と様式 ⑤学校教育 ⑥言葉としつけ ⑦渡米挫折 ⑧療養生活 ⑨評論家生活 ⑩「日本」入社 ⑪「大阪朝日」入社 ⑫健康法 ⑬生活態度 ・前半は私の履歴書ではなく、評論家とし…

アラビアン・ナイト《上》 ディクソン編 中野好夫訳 

1959年6月25日第1刷発行 2001年9月18日新版第1刷発行 2006年1月25日新版第5刷発行 船乗りシンドバードの1回目の航海 シンドバードは、一切の財産をのせて船旅に出た。途中、緑の牧場みたいな島に上陸して休息した。地震かと思いきや、大きな鯨の背中に上陸…

私の履歴書 西條八十(詩人) 日本経済新聞社 文化人2

昭和58年10月5日1版1刷 昭和58年11月7日1版2刷 ①夭折した姉に文芸的感化受ける ②初恋に破れて奈良をさまよう ③早大と東大へ同時に入学 ④処女作“石階”を早稲田文学に ⑤株式暴落、二日で三十万失う ⑥フランス語で苦労した教師時代 ⑦パリ留学、すべての詩人と交…

初恋 ツルゲーネフ 小沼文彦訳

昭和27年1月30日初版発行 昭和41年3月30日31刷 昭和49年11月30日改版22版発行 白髪混じりのヴラディーミル・ペトローヴィチは、自身が経験した月並みとは言えない初恋の話をノートに書きつけ、それを友人たちに読んで聞かせることにした。ノートには次のよう…

私の履歴書 川田順(歌人) 日本経済新聞社 文化人2

昭和58年10月5日1版1刷 昭和58年11月7日1版2刷 ①年上の少女に初恋の慕情 ②日陰者で終わったみめよき母 ③十三歳の夏、和歌の道へ ④詩人気取りの大学時代 ⑤住友生活三十年 ⑥皇太子の作歌指導 ⑦山口誓子と源氏鶏太 ⑧住友三十年の大恩人 ⑨永遠の女性 ⑩妻俊子のこ…

車輪の下 ヘッセ/高橋健二訳

昭和26年11月30日発行 昭和40年8月10日37刷改版 昭和54年2月25日66刷 裏表紙「ひたむきな自然児であるだけに傷つきやすい少年ハンスは、周囲の人々の期待にこたえようとひたすら勉強にうちこみ、神学校の入学試験に通るが、そこでの生活は少年の心を踏みにじ…

情熱と挑戦 私の履歴書 岡本綾子

2013年12月6日1版1刷 帯封「ソフトボールのエースから、女子ゴルフの頂点へ―日本人女子選手として初めて本格的に米女子ツアーへ参戦、米国人以外で史上初の賞金女王獲得など、日本女子ゴルフ界発展の礎を築いた世界のトッププロ・岡本綾子が自らの生涯と戦い…

花神(四) 司馬遼太郎

昭和47年7月25日発行 昭和53年3月5日26刷 長州人は正義好きである。鳥羽伏見の戦いでは兵力の差から薩長に勝目はなかった。が薩長が勝利すると、勝てば官軍の言葉通り、薩長は官軍になった。西郷と勝海舟が会談し、江戸城総攻撃は中止となった。勝は江戸に集…