2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

埋もれ火《上》 北原亞以子

2011年12月10日発行 「お龍」 明治30年、西村つるのもとに元海援隊の隊士安岡忠綱の息子重雄が坂崎紫瀾『汗血千里駒』を持って訪ねてきた。これには龍馬が恋した女が千葉周作の娘光子(実在する佐那という周作の弟定吉の娘のこと)と書いてあるが、龍馬が恋…

逆境経営 樽谷哲也

2023年4月20日第1刷発行 帯封「ピンチをチャンスに変える!元気印14社のトップが秘訣を明かす」「“ニッポンの社長”が語る 活力を失わない会社とは?」 表紙裏「デフレを追い風に大成功したカリスマ創業者の発想法、全国ブランドを捨ててまでローカルに回帰し…

一朝の夢《下》 梶よう子

2020年5月20日発行 興三郎は村上登也の墓参りを続けていた。ある時、その帰り道、寺男となっていた登也の父村上と再会した。登也は辻斬りに利用された挙句、北島静馬に斬られ、その現場を目撃した村上は北島を斬り、更に登也を引きずり込んだ者の敵討を果た…

新装版 鬼平犯科帳(三)1⃣ 池波正太郎

2006年4月12日第1刷発行 裏表紙「幕府火付盗賊改方の長官・鬼平こと長谷川平蔵が、ときにはユーモアをまじえ、ときには鋭い勘を働かせて凶悪な盗賊を相手に大奮闘をつづける。その颯爽たる立廻りが大評判の人気シリーズ第三巻は、『麻布ねずみ坂』『盗法秘伝…

一朝の夢《上》 梶よう子

2020年5月20日発行 第15回松本清張賞受賞作。 中根興三郎は、北町奉行所同心。両組御姓名掛りという閑職につく無口な侍。六尺の長身で痩せ形、30歳半で未だ嫁もなく、老いた下男の藤吉との二人暮らしだが、大の朝顔好きで、200鉢ほどの朝顔を自ら育て育種す…

アトラス伝説《下》 井出孫六

1998年4月20日発行 明治14年5月2日、陸軍省参謀本部測地課長の洋風画家冬崖(とうがい)・川上万之丞が急逝した。川上冬崖は、江戸時代,幕府設置の蕃書調所で学び、当時、下谷和泉橋徒町の構内に無辺春色画屋と呼ばれるアトリエと聴香読画館という名の私塾…

アトラス伝説《上》 井出孫六

1998年4月20日発行 直木賞受賞作。 「非英雄伝」 N博士は極貧の農家に生まれ,幼児期の大火傷のために左手が不具になる,本人の必死の努力によって世界的な細菌学者になった近代日本が生んだ最も立志伝中の人物,だが野口英世の虚像・偶像は,実は近代日本…

スマイルズの世界的名著 向上心 自分の人生に種を蒔け! S.スマイルズ 竹内均(訳・解説)

2016年12月25日第1刷発行 帯封「この本を、読むか読まないかで人生にとてつもない“差”が生まれる‼ 世界的大ベストセラー‼『自助論』と双璧をなすスマイルズの『人生論』」「人生論の最高傑作‼人生は自分が選んだとおりに“姿”を変えてくれる 自分自身の一生の…

落葉の隣り 山本周五郎

1989年4月10日発行 「ちゃん」 重吉は、腕の確かな職人。が、流行の移り変わりで注文が減る。飲まずにいられなくなり酔ってクダを巻く。でもやさしい父親。そのことを家族が理解している。息子におごられる重吉。重吉はある時、酒場で生き投合した男を家に呼…

一絃の琴《中》 宮尾登美子

昭和59年10月10日発行 苗の一絃琴塾に蘭子が、その後、雅美と雪江が入門する。蘭子は才色兼備で人に後れを取るなと言われて全てに誰にも負けない努力を積み重ねて成長していく。入門時に苗の一絃琴を聞いて絹糸のもつれた音と評した蘭子と、人を慰めることの…

一絃の琴《下》 宮尾登美子

昭和59年10月10日発行 40年の時が経過した。あれ以来、一絃琴に触れなかった蘭子だったが、終戦後2年して高知放送局から一絃琴をラジオで流す企画が持たれ、稲子と蘭子の2人に白羽の矢が当たった。81歳で苗も、公一郎も、また蘭子の夫も既に亡くなり、…

一絃の琴《上》 宮尾登美子

昭和59年10月10日発行 ネットによると、この本は、土佐藩を舞台に、二人の実在の人物をモデルとして、弦が一本のみの一絃琴の普及に貢献した苗(島田勝子)と、弟子で人間国宝となった蘭子(秋沢久寿栄)の人生を描いたもの。直木賞(第80回)受賞作品。 前…

星落ちて、なお 澤田瞳子

2021年5月15日第1刷発行 2021年7月20日第2刷発行 帯封「第165回直木賞受賞作 家族ってなんだ?と思わず我が身を振り返ること必至。偉大すぎる父親を持ってしまった河鍋とよの一代記」「画鬼・河鍋暁斎を父に持った娘とよの数奇な人生とは-不世出の絵師、河…

服従 ミシェル・ウェルベック 大塚桃=訳

2017年4月30日初版発行 裏表紙「二〇二二年仏大統領選。極右・国民戦線マリーヌ・ル・ペンと、穏健イスラーム政党党首が決選に挑む。しかし各地の投票所でテロが発生。国全体に報道管制が敷かれ、パリ第三大学教員のぼくは、若く美しい恋人と別れてパリを後…

家康、江戸を建てる3⃣ 門井慶喜

2017年5月31日第1刷発行 第四話(続き) 石積みの親方である見えすきの喜三太は、石をどのように積み上げればよいかを見極める名人。吾平は若き喜三太の才能に惚れ惚れする。天下一の巨石を大船を使って喜三太は江戸に運び入れたが、一目見て吾平は石を切っ…

家康、江戸を建てる2⃣ 門井慶喜

2017年5月31日第1刷発行 第二話(続き) 猶子となるために後藤家から細かい条件を飲まされた庄三郎だったが、全ては家康の小判鋳造を実現するためと肚を括って条件を全て飲み、家康の思惑通り、豊臣に貨幣戦争を仕掛けることを手伝った庄三郎は、いちいち重…

家康、江戸を建てる1⃣ 門井慶喜

2017年5月31日第1刷発行 第一話「流れを変える」は、豊臣秀吉から、北条家の旧領・関東8か国、二百四十万石をそっくりさしあげようと言われたところから始まる。その真意は、湿地が広がる土地と、家康の所領であった豊かな駿河、遠江、三河、甲斐、信濃とを…

新装版 鬼平犯科帳(二)3⃣ 池波正太郎

2005年11月18日第1刷発行 裏表紙「四季おりおりの江戸の風物を背景に、事件のサスペンスが、こころよい人情と溶けあう独自の境地。ご存じ鬼平シリーズ第二巻は、鬼平こと長谷川平蔵の並外れた勘が冴える『蛇の眼』他、『谷中・いろは茶屋』『女掏摸お富』『…

花影の花 大石内蔵助の妻《下》 平岩弓枝

1998年4月20日発行 ひくは、再び子を宿した。大石内蔵助はりくに安心して子を産むために実家帰りを勧める。りくは帰らぬというと、内蔵助は決して犬死はせぬが、万一、大罪人となった時、幼い子達を頼むといえるのはりくだけなのだと諭し、主税を除いて、吉…

花影の花 大石内蔵助の妻《上》 平岩弓枝

1998年4月20日発行 仇討を果たした大内内蔵助の子大三郎は、幼い頃に養子に出されたせいか何か大事なものを忘れて成長したように子供子供して、妾腹のために呉服屋から買い付けた勘定書のことで妻と口喧嘩を始めた。大三郎は、母のりくに対して何故大石内蔵…

池田屋乱刃《下》 伊東潤

2023年5月20日発行 『及ばざる人』 武器弾薬を買い集め、それを枡屋の倉庫に隠した宮部鼎蔵だったが、枡屋の古高俊太郎が捕まった。張り込みの目を逃れて、面の割れていない土肥七助を使って武器弾薬を奪い返した。宮部鼎蔵は藩医の息子として生まれ兵学師範…

池田屋乱刃《上》 伊東潤

2023年5月20日発行 新撰組の目線でなく、池田屋に集った志士達の目線で描かれた池田屋事件。 『二心なし』 伊予松山生まれの福岡祐次郎は、京で食い詰め、死にそうなところをお吟に助けられ、壬生浪士組が募集している隊士の考査を受けに行く。土方から金を…

新装版 鬼平犯科帳(二)1⃣ 池波正太郎

2005年11月18日第1刷発行 裏表紙「四季おりおりの江戸の風物を背景に、事件のサスペンスが、こころよい人情と溶けあう独自の境地。ご存じ鬼平シリーズ第二巻は、鬼平こと長谷川平蔵の並外れた勘が冴える『蛇の眼』他、『谷中・いろは茶屋』『女掏摸お富』『…

小説・新島八重 新島襄とその妻 福本武久

平成24年9月1日発行 平成24年12月10日3刷 裏表紙「故郷・会津を離れた八重は兄が生き延びていたという京都へ向かう。その地で英語を学んで西洋文化に触れ、キリスト教の洗礼を受けるに至る。そして兄の友人・新島襄と出会い、結婚。二人はキリスト教への偏…

回天の門 藤沢周平

1986年10月10日第1刷 2010年1月15日第31刷 荘内藩清川村の斎藤元司は、村の酒造家の跡取り息子だった。後年、清河八郎と名乗る。元司は若い頃から遊郭に通う遊蕩児だったが、そんな自分と訣別するため学問を志す。絵師・藤本津之助から聞いた江戸の話、外国…

超一流の雑談力 安田正

2015年5月25日第1刷発行 2015年7月14日第5刷発行 表紙裏「雑談には、人生を変える力がある」 目次 第1章 「超一流の雑談」の始め方 三流は、出会った瞬間に悪印象を与える 二流は、記憶や印象に残らない 一流は、最初の1分で「忘れられない人」になる 1 「…

会津おんな戦記 福本武久

1991年4月10日発行 やえは山本権八の三女として生まれた。山本家の先祖は山本勘助といわれた。やえの祖父は砲術師範を拝命し、兄覚馬は軍事取調役、大砲頭取になった。やえは12歳の時に火縄銃を扱い野ウサギを仕留めた。嫁いだ後は銃を握ることすら父の権…

超AI入門 ディープラーニングはどこまで進化するのか 編著:松尾豊 NHK「人間ってナンだ?超AI入門」制作班

2019年2月25日第1刷発行 帯封「AIと脳の根本的な違いとは? 人間の真実まで見えてくる、最も明快な6つの講義 ジェフリー・ヒントン(Google)、ヤン・ルカン(Facebook人工知能研究所)のインタビュー収載! Eテレの人気シリーズ、そのエッセンスをこの1冊で…

悪党芭蕉《下》 嵐山光三郎

2012年6月10日発行 目次 11不良俳人・其角 12『俳諧問答』に難点あり 13生類憐みの句 14死後に見よ 15死出の旅 16荒れる句会 17最後の歌仙 18夢は枯野をかけ廻る 19蕉門分裂へ おわりに 解説 村松友視 11 師の大巓和尚が才気あふれる若者の傲慢をいましめる…

悪党芭蕉《上》 嵐山光三郎

2012年6月10日発行 はじめに スキャンダル 「『芭蕉は大山師だ』といったのは芥川龍之介である。」から始まり、次に「芥川以前に芭蕉を批判した人は正岡子規である」、「芭蕉は宗教と化した」、「時流にのる天才的直感がある」、「『奥のほそ道』は、芭蕉に…