2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧

眩(くらら)《下》 朝井まかて

2022年11月20日発行 第7章 鷽(うそ) 善次郎と肌を重ね合うようになったお栄は、ある日、己丑(きちゅう)の大火に出会って善次郎と一緒に火傷した。北斎の孫時太郎は奉公に出したが、奉公先で迷惑をかけた上、行方不明になる。時太郎はあちこちで北斎の孫…

眩(くらら)《上》 朝井まかて

2022年11月20日発行 第1章 悪玉踊り 北斎の娘お栄は、水油屋の次男で町絵師の吉之助と結婚する。だがひたすら絵を描くお栄に吉之助が文句ばかり言う。お栄は才能豊かな善次郎(渓斎英泉)に胸がどきついて妬心めいたものが疼いたこともあった。家を飛び出し…

頭の回転が速い人の話し方 あなたの会話力が武器になる ユニバーサル・トーク×戦闘思考力 岡田斗司夫

2015年9月28日初版発行 帯封「相手と場所を支配する 面接・雑談・プレゼン・セールス・セミナー・ディベート… さらりと切り返せる!負けない!誰にでも伝わる!最強の会話術。」「『話し方』は頭の回転が9割! 第1章 なぜ、あなたの話は伝わらないのか? ◎誰…

最後の将軍《下》 司馬遼太郎

2002年10月20日発行 第一次長州征伐は薩軍の働きと慶喜の将才で勝利した。が幕府は将軍家を危うくするは薩摩でも長州でもなく慶喜であると見ていた。家茂が上洛すると松平容堂に慶喜に謀叛心あるかと尋ね、容堂は否定したが、2人のやり取りが慶喜の耳に入り…

最後の将軍《上》 司馬遼太郎

2002年10月20日発行 色んな作家が慶喜を色々に描く。本書は司馬遼太郎の描く慶喜である。慶喜といえば、大政奉還、新政府軍に恭順の意を示し、無血開城により江戸が戦火に見えることを回避した、最後の将軍として知られている。平和的で軟弱な印象を持つ人も…

最悪の将軍《下》 朝井まかて

2020年11月20日発行 綱吉の信任厚い大老の堀田が若年寄の稲葉正休の凶刃に倒れた。理由は堀田に淀川の治水の任を解かれた稲葉が堀田を恨んでのことだと推察されたが、稲葉がその場で滅多裂きにされたため、理由は明らかにならなかった。なぜ裁きを受けさせな…

最悪の将軍《上》 朝井まかて

2020年11月20日発行 4代目将軍家綱の次の将軍は、弟綱吉ではなく、甲府藩主松平綱豊が有力だった。綱誠の間家綱が病に伏している中、次の将軍を決める老中の話し合いの最中、老中酒井は、嫡男のいない綱豊では甲府藩お取り潰しとなるため、尾張綱誠は相応し…

夜明けの辻 山本周五郎

昭和57年7月25日発行 昭和59年5月10日2刷 尊王論者の山県大弐の講演を聞いた小幡藩の功刀(くぬぎ)伊兵衛は、“大弐は殺される”と来栖道之進に語った。理由を問われ、伊兵衛は「言葉は人間が拵えたものだ。どうにでも取繕ったりごまかしたりすることができる……

五瓣の椿《下》 山本周五郎

1992年9月10日発行 第4話 4話から、銀の平打の釵による連続殺人事件に注目した、与力・青木千之助が登場する。 かつておりうを目撃したという女中の直訴をきっかけに、おりうのいる部屋に青木は乗り込む。お倫と名乗る女性が人間違いだといい、そこに許嫁が…

五瓣の椿《上》 山本周五郎

1992年9月10日発行 序章 天保5年正月に亀戸天神に近い白河端の薬種商「むさし屋」の寮が自火で焼け、主人喜兵衛、妻おその、娘おしのが亡くなった。男女の区別がつかなかったが、はっきりした事情は不明のまま、死体は親子3人のものときまり葬式が行われた。…

孔子《下》 井上靖

2006年11月20日発行 巻末の曾根博義の解説によると、本作は『論語』がどのようにして成立したのかその成立過程を想像力を駆使して描いた小説だという。井上靖は様々な人間関係のなかで師弟関係がいちばん好ましいと考えていた。弟子が亡き師について語るとい…

孔子《中》 井上靖

2006年11月20日発行 蔫薑(えんきょう)がこの語りの名前であることを告げる。 有名な“五十にして天命を知る”とは、御自分が為そうとしていることに、天の使命感を感じたということが一つ、それから使命感を感じた以上、当然なこととして、大いに努力はする…

孔子《上》 井上靖

2006年11月20日発行 孔子の言行を目の当たりにできた弟子の一人が、孔子の死後33年という歳月が経過した後に綴ったとの想定で描かれた本作。「天命」という言葉を考察し、孔子という人物の人となりを著者なりに考察している。 この弟子は、孔子の次の詞が…

決定版 一流のプロの“頭の中”にある 仕事の道具箱 中島孝志

2015年2月10日第1刷発行 表紙「時間の道具箱 決断の道具箱 段取りの道具箱 伝える道具箱 情報整理の道具箱 売れる道具箱 アイデアの道具箱 ストレスに負けない道具箱 問題解決の道具箱 成功の道具箱」 目次 1章 仕事が速い人の 時間の道具箱 2章 いい考え…

春燈《下》 宮尾登美子

1992年9月10日発行 高坂高女に通う中、絵を描くのが得意な鷹代と友だちになった。学校を卒業したら東京に出て絵を習いたいという。綾子は自分も東京で女学生を続けたいと甘い夢を語った。後に鷹代規子から、自分は絵を断念し東京に行かずに家を助けることに…

春燈《中》 宮尾登美子

1992年9月10日発行 綾子と倉庫で2人生活を始めた喜和はうどんやを始めた。綾子を岩伍の下に戻すため、学校の先生を巻き込んで岩伍と喜和は話をつけ、荷物を半分ずつ置くことにし、綾子は岩伍に家に帰ると、岩伍はオーバーを買いに行こうと言って町に出て、…

春燈《上》 宮尾登美子

1992年9月10日発行 「櫂」に続く自叙伝的小説。 主人公の綾子、育ての母喜和、実父岩伍が織りなす親子模様が描かれている。学校の先生が家庭訪問の際に家の看板を見上げた様子を見て、綾子が高知の芸妓紹介業を営む家で、多感な少女期を送っているのだという…

鬼龍院花子の生涯 宮尾登美子

2011年3月10日新装版第1刷発行 裏表紙「大正4年、鬼龍院政五郎は故郷・土佐高知の町に男稼業の看板を掲げ、相撲や飛行機の興行をうったり労働争議に介入したりの華やかな活躍を見せる。鬼政をとりまく『男』を売る社会のしがらみ、そして娘花子・養女松恵を…

頭のいい人の「説明」はたった10秒! 仕事も人生もうまくいく 樋口裕一

2020年8月25日第1刷発行 帯封「オンラインでは、ダラダラした説明は嫌われる!丁寧に説明するほど、なぜか分かりにくくなる。お願い・紹介・交渉…短いのに失礼にならない説得力バツグンの実践テクニック」「すぐに結果が出る例文を満載!言質をとって願いを…

きのね[柝の音]《四》 宮尾登美子

1998年4月20日発行 雪雄は光乃との結婚を考え始め、弟たちに鎌倉の横田黄邨の養女にした後に嫁に貰うことを考えていると相談すると、2人の弟たちは反対する。それでも雪雄は光乃に自分の考えを告げるが、光乃は2人の子供だけそうしてもらい、自分が入るの…

きのね[柝の音]《三》 宮尾登美子

1998年4月20日発行 八王子でも大空襲に遭い、終戦後、雪雄の弟優宅に移るほか、2人で点々と移転した。釣りの講習会で知り合った世田谷の章一郎宅の離れで世話になる。雪雄に役回りがなく金がなくなり、給金も払えず、自らも役者を廃業するからと言って、光乃…

生き物が老いるということ 死と長寿の進化論 稲垣栄洋

2022年6月10日発行 裏表紙裏「イネにとって老いはまさに米を実らせる、もっとも輝きを持つステージである。人間はどうして実りに目をむけず、いつまでも青々としていようとするのか。実は老いは生物が進化の歴史の中で磨いてきた戦略なのだ。次世代へと命を…

きのね[柝の音]《二》 宮尾登美子

1998年4月20日発行 神田明神町の料亭満開楼の令嬢亮子との縁談が決まった。山王下の新居の準備に忙しく、婚礼の式が終われば、花嫁と付添いの老女が新居にやってきた。深夜に帰ってきた雪雄だったが、お茶を一口飲むと2階へ上がる。初日を迎える日の朝だった…

きのね[柝の音]《一》 宮尾登美子

1998年4月20日発行 市川行徳の塩作りで貧乏の家に生まれた光乃は、小学校卒業後、劣等感を抱きながら実践実科女学校に通う。しかし母のさだがが胃癌で亡くなり、阿佐ヶ谷の叔母の家で世話になるが、卒業間近になっても自立しないため叔母から嫌味を言われ、…

錦《下》 宮尾登美子

2013年6月10日発行 間道(かんとう)の復元作業を完成させ、ここで学んだ技術を活かし、細川家所蔵の古瀬戸茶入れの衣裳を新調したりした。次に𠮷蔵は、西本願寺から、アジアの西国から持ち帰ったミイラの顔を覆った錦の裂の復元作業を依頼される。そのタイ…

錦《上》 宮尾登美子

2013年6月10日発行 菱村𠮷蔵は祖父久兵衛に猫かわいがりされる。祖父が亡くなると𠮷蔵は学校を退学し、西陣で丁稚奉公の修行を始め、黒繻子の帯の担ぎ売りを始めた。が、商売の経験不足で足もとを見られ、不良品を掴まされ、商売の厳しさを知る。𠮷蔵が訪れ…

序の舞《四》 宮尾登美子

1987年4月10日 桂三から連絡が途絶えて不安になった津也は桂三を訪ねた。留守だったが部屋に上がると父親からの手紙が目に入った。そこには事実と異なる津也の奔放極まる風聞が書き連ねてあり結婚を許さないとの結論が書かれてあった。桂三が帰ると、桂三も…

序の舞《三》 宮尾登美子

1987年4月10日 津也が再び身籠った。松渓に告げると、誰の子やと冷たくあしらわれる。太鳳と関係あることを察知していた男の卑怯な逃げ口上だった。津也は降し薬を手に入れるために絵を売ろうと山勘を訪ねるが、体とセットでならという話をされて愕然とする…

新装版 鬼平犯科帳(四)3⃣ 池波正太郎

2006年7月12日第1刷発 裏表紙「はっと、平蔵が舟の中へ身を伏せた。荒屋敷の潜門がしずかに開き浪人風の男があらわれ、あたりに目をくばっている。(これほどの奴がいたのか…)平蔵の全身をするどい緊張がつらぬいた。凄絶な鬼平の剣技を描く「血闘」をはじ…

序の舞《二》 宮尾登美子

1987年4月10日 青年絵画共進会の第1回展覧会で津也は「美人観月」を出品し三等賞受賞。18歳で初めて歴史ものとして初めて手を染めた「清少納言」は京都博第21回で褒状を獲得。松渓から「くれ竹」という数寄屋造りの屋敷で男女交合の露な図を見せられ優しくさ…